蜜懐-5／留守

「中に出しても良かったのか？」
「ええ、安全日ですから」
「そうなんだ」
「直哉とはどうだ？」
「杏奈が生まれてからは、全然です」
「全く無いのか？」
「月に一度か、ふた月に一度くらい」
「そんなじゃ足りないな」
「ええ、全く」
「でも、今はその方がいい」
「これからは私と出来るから？」
「ええ」
女が厭らしく微笑んだ



「杏奈、お早う」
「おじいちゃん、おはよう」
「おはようございます」
「お早う、美菜子さん」
キッチンで朝ご飯の用意をしている女
ちらっと男を見た目が、何かを訴えている

「今日は何時頃お帰りですか？」
「寄り道をせず、６時過ぎには帰るよ」
「分かりました」
「直哉は？」
「あの人は金曜の夜です」
「今日明日は居ないのか」
「はい」


「行ってらっ」
美菜子が言い終らない内に、玄関で腰を引き寄せ口を合わせる男
「そんなにされたら、また濡れてしまいます」
「行って来る」