母-5

「では行きましょう」
「はい」
「何時に帰らないと駄目なの？」
「・・・直人が、あー子供が帰って来るのが６時」
「まだ５時間も有る・・・ゆっくり出来る」

　　　嘘みたい
　　　ホテルに連れて行かれる
　　　今一言言えばいい・・・帰ると
　　　いえ、何時までと聞かれた時に、直ぐと言えば
　　　良かったのに
　　　なぜ？
　　　口から音が出ない
　　　唇は開いているのに
　　　二つの拳が握られている
　　　爪が痛い位に

「着いたよ、さあ」
「・・・困る、私・・・」
「さあ降りるよ」

　　　先に降りて助手席のドアを開けて、手を差し出している
　　　また笑ってる
　　　優しい目
　　　あー、握った左手が開いて前に出た、勝手に

「震えているよ・・・そんなに緊張しないで」
「・・・」

　　　舌が吸われて、強く抱かれている
　　　胸が合わさってお乳が潰れて気持ちいい
　　　キスも男に抱かれるのも、６年ぶり
　　　シャツのボタンが一つずつ外されて、スカートから
　　　引っ張り出された
　　　もうブラジャーが表に出ている
　　　スカートのジッパーも降ろされて、するっと落ちた
　　　胸に手が宛がわれて、上から揉まれている
　　　息苦しくて口を外して深呼吸をすると、少し楽になった
　　　唇が震えている
　　　いえ身体みんなが震えている
　　　直に乳房を舐められている？
　　　ブラジャーが無い
　　　黒い頭の向こうに落ちていた
　　　片方を優しく揉みながら、もう一方の乳首を舐められて
　　　今度は反対を
　　　手を胸に置いたままで、頭だけ下に少しずつ
　　　降りて行った
　　　胸の手も降りて行く

　　　　　　　・・・つづく