母-9

「出たよ」
「うん、分かった・・・何か飲む？」
「ジュース」

　　　何時もと同じ顔をしているわ
　　　これでは分からない筈よ
　　　
「お母さんも入るわね」
「うん・・・上で勉強してるから」
「ええ、分かった」

　　　お風呂場のドアを開けると、ほんの少しあの匂いがする
　　　直人の直ぐ後に入った事も有ったのに、
　　　今までは気が付か無かった
　　　つい４時間前まで京介に抱かれていたのに、
　　　あそこが濡れている
　　　指を宛がうとぴりぴりする
　　　１０分前、直人がここで扱いてしていたんだ
　　　息子がオナニーをしている場面を思い返しながら、
　　　指を使っている
　　　私って、何ていけない母親なんだろう
　　　逝きそう、うーいく
　　　うーいい
　　　あー、これでは私こそ変態だわ、全く
　　　

「まだ勉強？」
「うん、来週からテストだから」
「そうね・・・何時までするの？」
「１２時には寝る積り」
「夜食はいる？」
「ううん、要らない・・・お腹が減ったら、それ食べる」
「こんなの駄目・・・後でサイドイッチ作って持って来るから」
「うん、有り難う」

　　　ポテトチップスにカールそれにチォコレート
　　　おこずかいからこんなのばっかり買って
　　　それにしてもこの部屋は本が多い
　　　漫画より遥かに多い文庫本
　　　私は中学でも高校でもそして今でも、
　　　こんなに本を読まないのに
　　　
　　　主人の遺伝だわ
　　　彼も良く読んでいたっけ

　　　　　　　・・・つづく