【魔法少女っ】42-5、無策！

敵は放課後にやって来る。
なんと律儀な侵略者なんだろう。
ある幹部は言った。
「だって授業中やお仕事中に街を襲ったら迷惑じゃん」
侵略者は律儀である。世界や人類を滅ぼすのが目的でなく、世界征服が目的ならば、経済とかに極力迷惑を起こさない方がいいという理屈だ。
中庭で待ち受ける茜達。麻衣子先輩は受験勉強のためいません。

「むざむざころされに来るとは律儀な正義の味方だな。ここがお前達の墓場となる」
テンプレートな台詞を言う、悪の幹部・ムッツリすけべ将軍。
「ムッツリーニだっ」
「墓場は寺か教会に置くと思うな～」
「ししてしかばねのないひともいたんだよっ！」
小春とかずねの突っ込み。いっぺんしんでみたかずねの説得力よ！ああ！
「とりあえず、ここでみんな死ぬのじゃあ！いでよナックルブラックドラゴン召喚じゃあ」
老いた老兵・チャウチャウチャウンチャウ将軍が空を硝子のように割り、そこにカードを投げ入れた。
「チャウシェシュクじゃあ！」
「トラックトラック～！」
「ものの本によれば、その昔、トラックは魔法少女たる娘をひきころした事があるという！さあ、いまこそそのチカラを示せ。ネガイナー」
長い名前省略したいのでネガイナーと呼ぶムッツリ。
「トラックトラック～！」
ナックルブラックドラゴンは車輪を転がし、クラクションで威嚇する。
「あらあら、野蛮ねぇ～。皆さんで変身よぉ～」
4人が魔法騎士に変身する。
「どんな策で立ち向かうか、楽しみじゃあ！」
「あらあら！策なんてないわよ～」
微笑む琴。
「なんじゃと～！」
ガビーンなチャウシェシュクとムッツリ。
「これはわたしのシンフォニーとしての最後の闘いになるわ。余った凡ての魔法力で以て、仇を取るだけなのよ～」
琴は茜の手を握った。
「ご安心なさい。チャウシェシュクの首はわたくしが取りますわ」
「ぐぬぬ！やれ！わしらも闘うじゃあ！」
「トラックトラック～」
千歳に向かい突進するナックルブラックドラゴン。
「昔の書物によれば、黒き龍は三種の神器で封じられるですわ」
車椅子変形バイクで逃げながら、千歳は話す。
「三種の神器？持ってるよ！」
「へ？小春、持ってるですの？」
「カー、クーラー、カラーテレビ！！！」
「違いますわ～！」
「違わない！」
冷気魔法を叩きこむ小春。
「わかったですわ～」
バイクで突っ込む小春。
「トラックトラック～！事故やだやだ～」
「カラーテレビ！」
ショウテイを叩き込む小春
「ナックルナックル～！」
まだナックルの部分に戦意が残ったナックルブラックドラゴン。
「無駄だよっ！あたし達は、負けないっ！千歳っ」
「わかったですわ！」
「メガアンジェラス！」
「ストームパーカッション！！」
各々の大技をぶちかます。
「トラックトラック～」
二将軍が立つ位置にぶっ飛ぶナックルブラックドラゴン。
「ぎょああ～」
その下敷きになるムッツリ。
「……」
若く愚かな同僚を呪うチャウシェシュク。

「今だ！琴姉！」
後方で闘いを見守るかずねが声をあげる。
「茜ちゃん」
「はいっ」
「わたしの魔法力を預けるわよ」
「うけたまったですっ」
合体魔法。
火と火の合体魔法！
繋がれた手から、これまでにない、強力な炎が立ちのぼる。
「合体魔法！！」
「カーマイン」
「シンフォニー」
「ギガフレイア！！」
ちゅどどどど～ん！
爆発は更にトラックのガソリンに引火し。
ちゅどどど～ん
「ぎょああああ！ポンペ～イ！ベラルスコーニ！」
わけわからん悲鳴をあげて、ムッツリはケシズミとなった。
チャウシェシュクもかなりの手傷を負った。
「こちらも仇を取らせて貰うですわ！」
千歳がチャウシェシュクに狙いを定めた。
その時だ！
「そこまでだず！」
闘いに介入するかげがあった。
「教会のひと？」
「この気配は……」
しかし、その姿を見て大きな驚愕を示したのは、チャウシェシュクの方だった。
「なんじゃとおお！」

次回へ続く！