和田監督　誕生！

「和田虎」25日誕生へ！Ｖ奪回へ船出や

デイリースポーツ10月25日(火)9時3分配信
「和田虎」25日誕生へ！Ｖ奪回へ船出や

　阪神は２４日、今シーズンの全日程を終了した。来季監督に就任する和田豊打撃コーチ（４９）は若虎の活躍で奪ったこの日の得点を、７年ぶりのリーグ制覇を目指す２０１２年につながる２点と評価。猛虎復活への思いを新たにした。今３連戦中に南信男球団社長（５６）は和田コーチに監督就任要請を行った。２５日に大阪市内の阪神電鉄本社で坂井信也オーナー（６３）に報告する予定。晴れて和田阪神が産声を上げる。

　自らが導く猛虎復活への手応えを、大いにつかんだ得点劇だった。０‐０の七回、柴田、上本の連続長短打から無死満塁の好機をつかむと、森田、大和が連続左犠飛。鮮やかな攻撃に、和田打撃コーチは「若い選手にとっては明日への２点だね」とうなずいた。

　コーチから監督へ‐。あらゆる意味で感慨深い試合になったに違いない。今季最終戦を控えたこの日の午前中、南球団社長は、今３連戦中に監督就任要請を行ったかについて「いろいろとやっています」と明言。２５日の午前中にも電鉄本社の坂井オーナーのもとを訪れ、その内容を報告する意向を示した。この瞬間、晴れて和田新監督誕生となる運びだ。

　南社長はこの日の午前までに、木戸ヘッドコーチ、岡野手チーフコーチ、久保投手コーチとの会談を終了。３コーチから今季限りでの真弓監督とともに退団する意向を受理した。

　その上で、坂井オーナーから指示を受けている通り、和田新体制でのコーチングスタッフについて、大枠を固める作業も進めてきた。和田阪神実現への歩みは順調そのもの。２７日のドラフト会議を挟み、２８日にも監督就任を正式発表する見通しとなった。

　そんな状況で迎えた広島戦で、和田打撃コーチは真弓阪神としての最後の仕事を全うした。試合前はいつも通り、指揮官とともに選手の打撃練習を見守り、練習後は報道陣に対して「試合に集中しましょう」と呼びかけた。真弓阪神の３年間を締めくくるゲームであり、タイトルを争う選手や、チャンスをもらった若手にとっても大きな意味を持つからだ。

　そんな節目を２‐０の快勝で戦い終えた和田コーチは「（真弓）監督のラストゲームだからね」と３年間仕えた指揮官をねぎらった。同時に「まだレギュラーと控えの差があると感じた。そこが課題」と自らに言い聞かせるように話した。

　セ・リーグ公式戦は２５日のヤクルト‐広島戦を残すのみだが、新井の打点王、マートンの最多安打、鳥谷の最高出塁率のタイトル獲得は確実。リーグトップのチーム打率を誇る強力打線を作り上げた和田コーチが、今後は監督として、その手腕を来季７年ぶりのリーグ制覇に導くために注ぐことになる。