先が見えてきました！

虎・ブラ、統一球克服２打席連ダ～ン！

サンケイスポーツ10月7日(金)7時51分配信
虎・ブラ、統一球克服２打席連ダ～ン！
　（セ・リーグ、阪神７－１ヤクルト、２２回戦、阪神１３勝９敗、６日、京セラドーム）阪神のクレイグ・ブラゼル内野手（３１）が２打席連発で試合を決めた。六回に左翼へ１３号ソロを放つと八回には右翼へ１４号３ラン。統一球をようやく克服し、首位ヤクルト相手の３連戦３連勝に大きく貢献したＢ砲は「これからもホームランをたくさん打ってファンを喜ばせたい」とさらなる爆発を誓った。

　豪快なスイングと美しい弾道が、声援を歓声に変えた。試合を決めたブラゼルの２打席連続ホームラン。クライマックスシリーズ（ＣＳ）進出へ、追い詰められた虎の強さを見せつけた。

　「ファンのみなさんも自分のホームランを待ってくれていたと思う。打てて気持ちがいいし、これからも何とかホームランをたくさん打って、よろこばせたい。神宮での借りを返したいと思っていた。この勢いを横浜でも続けていきたい」

　メッセンジャーと並んだお立ち台で、この日３度目の大歓声を浴びた。最初は１点リードの六回だ。ヤクルト先発・増渕の外角高めの直球を、思い切り振り抜いた。

　「今年は何本も逆方向の打球が失速して捕られていたから、入るとは思わなかった」

　勢いよく打席を飛び出すと、一塁ベースを回ってペースダウン。昨年４７発のＢ砲にとって飛ばない統一球に悩まされ続けた１年だったが、ようやく克服。左翼ポール際への１３号ソロに、真弓監督も最敬礼だ。「１本目の本塁打は、非常に効きましたね。（状態は）よくなっています」とたたえた一撃で突き放すと、２度目は八回だ。

　柴田からの３連打で１点を加えた直後の無死一、三塁。３番手・押本の直球を完璧にとらえた。右翼へトドメの１４号３ランは、一歩目からゆっくり。今季２度目の１試合２発は、昨年６月２９日の中日戦（甲子園）で３打席連発して以来の“連弾”だ。

　日々届く“生の声”が力になっている。８月上旬にツイッターを始めた。開始から３日間でフォロワーは３０００人を超え、今ではその倍以上。「いろんなメッセージが返ってきてうれしいし、励みになるんだ」。

　右太もも裏の肉離れで２軍落ちしたときには温かい言葉をもらい、胸を熱くした。分からない日本語があれば通訳を通じて理解し、返事を出す。ファンを近くに感じる男だからこそ、苦境で打てたことがうれしかった。

　京セラドームでの主催試合で過去最少の観衆だった４日の同カードでは、「いいプレーをしていれば、ファンはついてきてくれる」と誓った。その言葉通り、虎党のハートを熱くした。最近６試合で４発。すごみを増して、７日から横浜に乗り込む。

　「（ＣＳ進出を）あきらめたつもりはない。ピッチャーも頑張ってくれているし、本当にいいチーム。自分たちができることを続けていけば、いいことが起こると思う」

　その言葉を信じたい。３位巨人とは３・５差。あと少し手を伸ばせば届く。失速知らずのブラゼルの豪打が、勝利しかない虎を加速させる。