負けへんで！

咲は旦那さんの家へ行ったが焼け野原、
どこから調達したのかトタンで屋根を作り、壁は薄い板で仕切っていた、

「おぉ、咲か
よう帰れたなァ」
「はい、旦那さんが心配で急いで来ました」
「ありがと、ありがと、ほんまにありがと」

旦那さんは暫く見ない内にかなり年老いて以前の勢いが無くなった、

「咲、あのなぁ、見ての通りや、この戦争で商売がやり難くなってしまい、今は細々してんねん」

「そうですか？仕方が無いですね、でも私の事は気にせんといて下さい」

「そうか、お前にはなんぞ考えがあるンか？」
「私も商売を始めようかとおもてますが、そこで旦那さんに相談がありますがお金や有りませんので安心してください」

「お金以外なら話に乗るで、で何や」

相談事は勢いのある人を紹介して欲しいと言った、

紹介された人に会いに行ったが見るからに成金の顔付きは嫌らしそうな感じでケチぽっいひひ親父だった

咲は気を引き締め、用心して取り掛かった