- 名前
- ヴォーゲル
- 性別
- ♂
- 年齢
- 74歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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路上生活者
2007年09月16日 18:42
人の行きかうアムステルダム中央駅前をダム広場に向かって歩き始め、交差点で信号待ちをしているときに路上生活者、というか浮浪者然とした男を見た。 年齢不詳の多分50を越したぐらいか、ほぼ私と同じ年恰好かもしれないのだがこの男は物を沢山詰めたビニール袋を足元に置き茫然と立っていた。
町には様々な路上生活者がおり、時には小金を乞い人の間を歩いたりする者もいるのだが汚れた衣服に構わずこの男はもう長い間自分の世界にのみ没頭しているようだ。 これから寒い季節になりヨーロッパでも北の方であるここでは冬が厳しい。 路上生活者のためのシェルターや救世軍などの施設があり食べ物と暖かいベッドは保証されているものの日中は路上である。 日常、シェルターや施設を使うものはあまり手荷物をもたないで町を徘徊しているし服装や外見からははっきりと路上生活者だとはわからないものも多い。 どの町にもそういう人たちはいるし普段、町の角や公園では目立つものの目抜き通りでもみかけるものだ。
これらの人たちは皆何らかの理由で家族や肉親から離れ路上で暮らすようになり、あるものは保護をうけ、あるものはそういう保護を拒む。 健康に問題のあるものが多いと聞く。 特にこのような厳しい環境のなかで精神に支障をきたす者がすくなくないとのことであり様々に保護の手を差し伸べることはおこなわれているらしいのだがそれを拒否するものには打つ手が無い。
もう何年か前にオランダの旅行会社がヨーロッパの大都市で浮浪者になる体験のパックツアーを企画して社会からブーイングをうけ早々に頓挫した。 私はこれにブーイングを浴びせるものではないが自分の資産や家族がありながら安全なところにいて、しかも期間限定で路上生活体験というのではテレビの疑似体験企画とかわりなく、それがその旅行会社の意図するところでもあったのだろうが、誰が考えてもこの男の位置まで届かないことはあきらかである。
路上生活者の数は増えることはあっても減ることはないようだとも聞く。
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