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マーストリヒトに行った

2007年09月03日 20:46

マーストリヒトに行った

2007年 9月 1日 (土)

なんやかやで前夜2時間ぐらい睡眠をとっただけで軽い朝食を腹に入れ、7時半ごろハンドルを握って涼しい中を家人と250kmほど南に向かった。 週末でもあり比較的早朝であることともあって高速道路は空いていた。 交通情報ラジオで聴いてもこの時間には渋滞が無かったから気をつけるのは自然とアクセルを踏みがちになり、スピードメーターが130kmをこえないようにすることだ。 前の車がはるか向こうでありのんびりした高速道路が続くところでは速度感が鈍る。 実際、前日にスピード違反罰金を払うよう支払い用紙が送られていた。 それは8月8日にアントワープに行ってフリッシンゲンに帰る途中の地方道で制限100kmのところを112km走ったからだという。 それで12km超過分40ユーロ(6000円弱)払い込まねばならぬのだ。  しかし暗黙の了解では10%までの超過はチケットがきられない、ときいているからそれが本当だとしたらこの場合には2km超過ということだ。 なんともはや、わりきれぬのだが、そうはいっても規則は規則、ここでごちゃごちゃいうのは「ひかれものの小唄」なのだ。

2時間ほどしか寝ていなかったからラジオで音楽をつけていてもさすがに単調な道路を1時間半ほど運転していると眠気も出るから途中のレストランで休憩してコーヒーを飲みすっきりさせて車に戻り、マース川にかかる高い橋を渡って左側に工業地域原子炉の冷却炉にも似たような煙突工場群が見え、そのうち左側にマーストリヒト飛行場が見えてくるともうオランダもほぼ南端に近い感じがする。 幹線道路を右折してマース川を渡り、11時前にマーストリヒトの古い町の中心地、聖マリア教会の前の小さな広場にたどり着いた。 家人がここで地元の芸術家協会が主催するアートマーケットの”出店”で2日間出品し、ここを訪れる人たち、芸術家たちと交流するというのが趣旨らしい。 私は運転手兼小間使いである。 青空市場の出店よろしくしつらえたところで主催側の挨拶と書類のチェックをして隣近所の同業者とも情報のやりとりしたあと家人が食事、休憩、そのほかの雑事で「店」を離れるときに「店番」をする以外は暇な私は一人で町の中を散策した。

古い町並みを保存した狭い小路がたくさんありそこを抜けていくと大抵はいくつも在る協会にでる。 私の住んでいるところはここから見れば大都市が集まったあたりであり、オランダ的な信教が強かった土地だから教会にしてもその教義の通り、装飾を廃した簡素なものが多くよそものには参拝しても暗く重厚な厳かさに欠ける印象があるものだが、カトリック圏にくるとそれがその装飾とごてごて感からか視覚的には興味深いものである。 北の新教、南のカトリックということになるのだが国境を南に下がりベルギーに行くと俄然カトリックが増える。 フランスイタリア教会はどこでも訪れて時間を費やすのに退屈はしない。 そこで、このマーストリヒトオランダではない、と私が思うのには理由がいくつかある。

オランダは統計上ではカトリック信者が一番数が多いのだそうだ。 もともと豊かな南部はカトリックの土壌であり、今もそれが続いているのだろうが、なるほど物質的に見てカトリック教会には過去によみがえって、その装飾に潤沢の資金がつぎ込まれており、それも信徒たちの経済的な繁栄があってのことでできることである。 土地の繁栄を基盤に権力を大きくし、貧しいものから教会が腐敗し、民衆から離れたとしてバイブルに戻れと反権力キリスト者が貧しいものたちを基盤にした新教であるのだから、そこに新旧教会の佇まいの違いは理解できない無くはないのであるが、やはり質素な教会になれた目にはカトリックのクの教会はどことなく華やぐ。 

過去はそのようであったのだろうが今は全体に宗教心のあるオランダ人はここ30年ほどでかなりの割合で少なくなっている。 それは教会継続的にでかける人数ということであるのだが、特に若者教会離れが著しいようだ。 大抵、人間は自分の死と向かい合ったときに信仰心といったものに目覚めることが多いと聞く。 だから自然と老いて神を求めるということになるのだろうが、それも若いときから文化的、宗教的な習慣と基礎があってのことである。 だからその根が極端に先細ったこれから先、とくに40年、50年経ってからの状態が危ぶまれており、そのための様々なキャンペーンが催されているものの世界の趨勢は如何ともしがたいようだ。

けれど表面的には歴史的にも由緒もあり文化的にもゆったりとした豊かさを見せるこの町の様子は店番をしていてかなりはっきりと見ることになった。 それが私がここがオランダではない、と言った一つの理由だ。 

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