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Boerenkool Stampot オランダ伝統料理

2007年11月23日 08:19

久しぶりに公民館寿司教室の講師をするのでその準備に寿司酢を合わせ、干瓢人参、椎茸の含め煮など別々の鍋で煮ていると、この煮物の匂いを一転させて今夜の食事当番としては夕食は簡単で腹にこたえるオランダ伝統料理 Boerenkool Stampot(ブーレンコールとジャガイモのつぶし鍋)にしようと思い立った。 寒さが増してくるとオランダ人は伝統の簡単料理、百姓のレシピーを好む。 

主役は若い者にとってはオランダ流ミートボールなのだが我々にはつぶしたジャガイモに同じく茹でてスタンパーで押しつぶし、混ぜ合わせたブーレンコールの一皿料理に舌が向くのだ。 

オランダ語でBoerenkool(和名:ハゴロモカンラン、英名: kale もしくは collard、学名:Brassicaoleracea )直訳すると百姓のキャベツ、となるのだがこれは色々な種類のあるキャベツの中ではとりわけ玉のように巻いてもいず、深緑色に細かく括れていてちょっと見にはキャベツに見えないのだが、寒さに強く、栄養ビタミン価も高く寒冷な北ヨーロッパ風土の中で何世紀も冬の間のオランダ人の体力を保ってきた大事な食材だ。 温室栽培、世界からの輸入網のおかげでこの30年ほどで何世紀も続いてきた単調なオランダ食生活が一転するほど食生活食材は豊かになったのだがその中でこれは昔を想うのに最適のメニューでもある。 しかし、人はそのノスタルジーだけでは昔のメニューを食卓に上らせようとはしない。 そこにはそうさせるだけの味に魅力がありそれが今の時期、スーパーに積み上げられた袋に入った細かく刻んだ深緑色のブーレンコールを今年の寒い季節の到来と我々の手を動かして次々にカートに放り込ませるのだ。

余ったパンに牛乳と卵の黄身をおとし、それを挽肉と一緒に混ぜ、塩胡椒にナツメッグ、クミン、などを加えてホッケーボール大に丸めたものを、厚手の鋳物の鍋を熱くしてバターを溶かせ、それで満遍なく焦げ目をつけて肉汁を内側に貯めて置けるようにする。 その後シェリー酒やビール、塩胡椒に醤油肉汁のコンソメを加えひたひたにして弱火で鉄の重い蓋をした鍋を30分ほど煮るわけだ。 適当肉汁と煮汁が混ざって柔らかく美味いミートボールが出来る。 これでオランダ流の百姓のミートボールが出来上がり今風の子供達も喜んでかぶりつく。

酢をすこしたらして一時間ほど水で煮た赤カブの柔らかくなったものの皮を剥き、煮汁を捨てて細かく刻んだ赤カブレモン汁を入れ、たっぷりの生玉葱の微塵切りをサワークリームと混ぜ合わせたものを添える。

つぶしたジャガイモ、ブーレンコールを皿の上に盛り上げ、山のないオランダ小山としてそのテッペンをミートボールで押しつぶしてその上から煮汁(どういうわけかオランダ語ではこの百姓料理のグレービーにフランス語のjus,ジュという言葉を使う)をたっぷりかけてフォークだけで喰うのだ。 そこにはワインは合わない。 もちろんビールである。


今日初めてブーレンコールの和名を知ったのだが、羽衣とは優雅な名前がこの無骨な野菜についているのが可笑しいがキャベツ足跡がついているのに気付いた。 幼少の頃から大阪南部の百姓家で育ちキャベツは畑で育てていて出荷もしたのだがその味の良さに比べて出荷値段の安さに労多くして経済的実りの少ないことにも苦いおもいをしたものだが、そのキャベツの味は非常によく、殆ど生で食したものだ。 ロールキャベツにすると柔らかすぎて形が崩れたからそのためには他方から来た硬いキャベツを使っていたようだが、祖父がこの地方の名前のついた泉州カンラン、とこれを呼んでおり、キャベツの和名がカンランであることを耳にした最初の経験だった。 このカンランの漢字も知らずそれから40年以上も経って「甘藍」をウィキディアで知り、おまけにキャベツは18世紀にオランダから渡来したものということも知った。 キャベツとは似ても似つかぬブーレンコールの引き合わせとは面白いものだ。


ハゴロモカンラン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%AB

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