- 名前
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- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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ユトレヒト大学の学部説明会に行った
2007年11月11日 21:27
土曜といっても別段何も予定がなく、息子が行っている大学の学部でこの週末金曜、土曜と2日間、高校3年生とその父兄を対象に学部説明会を行い、息子も1時間1500円ほどで大学側から支払われ場内整理や案内に生徒会のメンバーとして朝早くから出かけると行っていたので、息子が9月から行き始めた大学の様子を知りたいこともあり我々夫婦もそれじゃあ出かけようかと相談して、実際は関係がないのだけれど、それでも関係者が大学についていろいろと説明してくれるのだから都合がいいと午後から出かけた。
ユトレヒト大学はオランダでも由緒ある大学らしい。 もともとは人文系の大学らしいのだが経済学部が創設されたのはこの8年ぐらい前で比較的新しい。 経済に関しては伝統的にはロッテルダム大学ががオランダでは一番知られているのだが今までの枠組みから離れてさまざまな分野を総合的にかつ分析的学究的にユトレヒトという地の利をいかして成果をあげているのだと50代の経済学部長がぱらぱらと集まった親子づれを前にして話す。
コーヒーにお茶、サンドイッチにクッキーとアルコールは置いてはいないものの接待には充分だ。 学部のパンフレットも配られ昔の軍隊の兵舎を改造した建物のいささか無骨なスペースで説明会は行われた。 大体、全国で今の時期に来年の来年9月の新学期に向けて各大学がキャンペーンを行う。 大学進学希望の高校3年生は年末までに文科省の大学センターに希望大学学部の申請をおこなう。 だから今の時期が一番彼らの進路に影響をあたえる時期でもあり各大学が今の時期の週末にこのような催しを行うのだ。 将来の進路を決めるとあとは来年5月の末にある全国高校卒業試験を通過すればほぼ自動的に申請通り9月の新学期から希望の大学生となるのがこの国の仕組みだ。
ここに来るまでに見慣れぬ街の大学地区でこの場所を捜すのに迷った。市の中心をすこし外れた大学地区には大きなビルがいくつも立ち並び大学生にしては幼く見える子供達とその親たちであたりはあふれ要所要所には目を惹く色のウインドブレーカーを来た若者が我々のように迷った親に地図を示して目的の場所を教えてくれるのだが中にはなかなか要領が悪いのもいて、というより2年生あたりではまだ全ての学部の場所を心得ていなかったり聞かれてもその学科を知らなかったり、ということなのだろう。
実際に経済学部の中でもオランダ語でではなく英語で全てのカリキュラムを終える息子が属する学科のキャンパスは大学地区から離れていた。 昔の兵舎を改造した落ち着いた住宅地区の中に3階建てほどの建物が通りを隔ててあちこちに点在しており、さきほどビルの間を右往左往したようなところとはいささか趣を異にしていて落ち着きがあるものの昔の軍隊のなごりか、簡素で無骨な雰囲気も漂っている。 建物、デザインが機能的、効率的でもある。
この大学の経済学部には毎年250人ぐらい新入生が入ってそのうちの3分の1ぐらいが全てを英語で行う経済学部コースらしい。 一般の経済学部にしても教科書のかなりのものが英語であったり、教師がオランダ語の話せないものが多かったりするのと将来に向けて何かと便利だろうからこの学科を選んだのだと息子は言っていた。オランダでは高校の卒業試験が大学入試資格試験であるから例外を除いて各自は希望の大学、希望の学科に入ることができる。 文科省から大学へ降りる予算は入学者数や卒業者数などが大きく影響するから大学側としてもこの勧誘には真剣である。 耳障りのいい言葉が多いのだがそこは経済学部が社会に直結する学科であることも関係しているのだろうか。私には自分の息子が将来どういうような職につくのかどういう風にして社会の一員になっていくのか見当もつかない。 それに経済という学問には今まで興味も取り掛かりももったことがないからこの日の説明会に来たのだがそれでも興味は湧かなかった。 人間、社会の活動を金を巡って説明するお話なのだと承知した。
学部長の説明の後、こどもの同級生達が高校生の親子連れをそれぞれ個別にあちこちの部屋やホールにある展示場に案内すべく待つカウンターに行くとそこで目もあでやかな恥ずかしいほどに明るい緑とピンク色の袋に入ったサンドイッチ、ミルクに林檎ひとつ、メモ用紙にそろいの色のボールペンと各種申込書に説明パンフレットの入ったものを渡されたのだが、その学生達は私達が入っていくとニヤニヤと、息子さん、もう一度入りなおすんですか、とか食い物これだけじゃ足りませんよね、とか後でもっと袋もってやらせますから、とか訳の分からないことを言う。 事務の女性まで同じようにニタニタ笑っているので息子が何か私のことで理不尽なことを前もって吹き込んでいたに違いない。 中には、私の父も同じように沢山ジャズのレコードを集めていますよ、と言ってくるのまでいる。 学年50人ぐらいの小さな学科なら学生たちにしてもこじんまりとまとまるのだろうから情報も密になるのだろうが、唐突にこういうことをいわれると戸惑う。 家人にしても同じようなことを女子学生から言われているのだがこれもこういうところに紛れ込んだ我々が餌食になったということなのだろう。今までこどもの友達達、スポーツクラブのチームメンバーがうちに来たりするときには顔をあわせたりすることはあるのだがこのように一度にこどもの同級生と顔をあわせることはこどもの高校のパーティー以来だ。 そのときに比べてかれらの顔つきが大分大人になったように見受けられるけれど、大学上級生にくらべるとまだまだ青臭いわね、というのが家人の感想だった。 こどものことはあまり近すぎて却って分からないけれどその同級生達と話しているとそれらの青年を通して自分の子供の違った面も幾分か見えてくるような気がした。
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