- 名前
- ヴォーゲル
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- 年齢
- 74歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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今年もまたオランダのサンタクロースがこの町にやってきた
2007年11月26日 00:43
昨年の今頃、師走に向けての追い込みと題して下の様な日記を書いた。
http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/42406309.html
オランダのサンタクロースとも言うべき「シンタクラース」についてはベルギーに住む?日本女性の考察が詳しい。
http://www.akakappa04.com/study/sinterklaas.htm
昨日、土曜日の買い物に出かけてみると恒例の、シンタクラースが又この町の市役所の広場に来ており、黒山の人だかり、というのか小学生低学年、幼児達に曳かれてついてくる親、おじいちゃんおばあちゃん達それを眺める人々、ほぼ千人を超すかというような人だかりで混雑していた。 去年のように人ごみを掻き分けて写真をとりにいく前までの力も両手に買い物袋一杯の荷物を下げていれば出きるわけもそんなエネルギーも無く、もう子供をつれて何回もここに来たのは何年も前の過去のこと、今はお役ごめんと後ろの方でしばし眺めていた。 テンションがあまりにも上がって自分の思った通りにならないのか泣き出す黒人従者ピートの格好をした4つ5つの子供とそれを追って何事か叱りながらこれも人ごみの中で上気した母親なども微笑ましくも興味深く眺めながら通り過ぎようとしたら、空から何か降ってきた。
子供達にシンタクラースの到来を告げる従者たちがその麻袋から皆に向かってお菓子を空に向けて投げるのだ。 日本では施餓鬼という言葉も習慣もまだ残っており、うちの親戚が管理する村の地蔵では毎年盆過ぎに地蔵盆の供物を地蔵の前で分けて子供達に振舞うことが今でも行われており、それをわざわざ毎年海を越えて菓子が航空便でオランダまで届けられているのだが、今ここでは航空便も必要なくシンタクラースと蒸気船に乗ってスペインからはるばる来たピートが威勢良く大人、子供が混じった人ごみの上につぶてのごとく撒き散らすのだ。 大人、子供達はそれを追って空をつかみレンガ敷きの広場にかがみ込んで散らばったものを拾おうとする。
一度にどっさり撒かれたのか私の頭の上からもばらばらと落ちてきて反射的にかがみこみ摑んだのが子供達の好むニッキなどスパイスがはいった小粒のクッキーと淡い色の酸っぱく甘い駄菓子だ。 商店街、官庁、オフィース、学校とどこにでもあらわれる数百歳の老人と従者たちのお決まり、大判振る舞い、おひろめ菓子なのだ。
今でも日本でも残っている風習なのだろうが、もう随分昔、叔父の家の新築上棟式の折、家族親戚一堂が手助けして大工の棟梁である別の叔父の采配に従って棟の骨格をくみ上げたときに村の神主の地鎮祭のあとしきみを最上部に縛るべく上った施主である叔父がその高所から小銭の入った餅を集まった近所の人々、子供たちに撒いていたのを思い出す。 当時はその餅も家で幾臼か搗いたもので伯母たちが柔らかい餅を丸めてその中に「御縁」を願って五円か「重縁、充縁」の十円かの銭を包めていたのを覚えている。 餡の入ったものには銭を包んでいなかったようだがその理由が何なのか今では知る由も無い。
買い物袋を体の両側の地面に置いてかがみこみ両手で集めたものが家の居間のテーブルの上に乗っている。 一日以上時間が経っているのに一つか二つ減っただけでそのままになっており我が家ではシンタクラースのテンションはこの御菓子ぐらいでは上がらないようだ。 食い物で人を釣るのはまだ安い方なのだろうが最近初めて日本版が出たミシュランで最高点をとったうちの一つだといわれる料亭で接待を受けていた政府高官は棒で小さな玉を打ってそれを追い小さな穴に入れる遊びでも接待され、おまけにその夫人を着飾るものまでばら撒かれて仲介業者に釣り上げたようだ。 その挙句、国策捜査にまで進むかと見られている中、大臣まで含んだスキャンダルがにぎわされている昨今、酒食、遊びに色、となると古今東西に材料は限りなく、期限切れの餅の底に敷いた小判に対して「越後屋、そのほうも相当の悪じゃのう、ウヒウヒ、ウヒヒヒ、、、」といやらしく笑う悪代官の地位も才覚もない公務員には地面に落ちたシンタクラースの駄菓子を拾っているのが相応だ。
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