あこがれ-14／経験あるの？

ずっと下を向いたままでしたが、やっと顔を上げて目を見てくれました
「綺麗な目」
「超が付く程の近眼なので、ぼやけているだけだよ」
「コンタクトですか？」
「中学の時から」
「二日目から階段の上で待っていたの？」
「はい」
「この人の前に居れば、もう絶対に痴漢されないな、と思って」
「そらそうだ。男と一緒の女性を痴漢する馬鹿はいないものな」
「ええ、特に長谷さんの様な大きな人には」
「あれが大きい？」

また急に下を向いてしまいました
「いいえ、身体の大きな」
「ごめん、冗談」
「大学にはそのまま進めそう？」
「今の成績が続けば、入れると思います」
「学部は？」
「文教のグローバル」
「茶水の文教に、グローバル学科なんて有ったっけ？」
「総合言語から三年前に変わりました」
「そうなんだ」
「良くご存知ですね、お茶の水の事」
「一応私も国立だったので、結構交際は有ったから」
「何処をお出になられたのですか？」
「東京の法科」
「凄い!!頭もいいのですね」
「今、も、と言ったけれど、他の物は何？」

また、顔を下に向けます
「身体」
「身体の？」
「あそこ」
　と、聞き取れない位の小さい声で囁きます
「そう、私のあそこがいいの？」
　と、大きな声
下を向く顔が赤い
「・・・凄く大きい」
「身体も大きいから、当然あそこも比例する」
「そうなのですか？」
「そう思うよ」

「美咲さんは、男と経験があるの？」
「ありません!!」
「でも、早くしてみたい？　正解？」
「はい」
「それで、私にして欲しかった。　だからメモをポケットに？」
「・・・・・はぃ」
「門限はあるの？」
「いいえ、遅くなる時は電話をすれば」
「じゃ電話をしてから行こう」
「えっ、何処へ？」

口を耳に近ずけ
「ホテル」
「えー、わ、わたし、どうしょう」
「どうもしなくていいの。　私に全て任せなさい」
と、優しく命令します。
「はい、は？」
「はい」