相談-5

　　　不倫相手と初めて朝まで一緒、と言うのは良いものですね
　　　ここには経験者も随分いらっしゃると思います
　　　それが頻繁になると全ての意味でいけません
　　　情が移ってしまうのは、不倫にはご法度
　　　首から下だけのお付き合いが一番いいのですが、
　　　中々双方がそうなりません
　　　どちらかがのめり込んでしまう
　　　そうなってしまうと、相手は引くだけ
　　　浅く長く、そして上手くお付き合いをして下さい


相談-5
ドアベルを押すと直ぐに開き、
嬉しそうな顔の泉が立っています。
ドアにロックをするなり、
腕を背中に回し口を合わせて来ました。
ひとしきりキスをした後
「恵ちゃんは?」
「もう寝ました・・・ビール飲んでいて下さい
　・・・ご飯直ぐですから」
「お鍋にしました・・・お燗がいいでしょ?」
「ああ、熱めにして」
「はーい」

　　何かニコニコして嬉しそうにしている
　　私の事が本当に好きなのか?
　　子供も妻も居る私が?
　　別れる気が無いのが分かっているのに?
　　何の取り得も無い私を?
　　何処が、何が気に入ったんだ?

「一杯召し上がれ・・・はい、お酒どうぞ」
「一つ正直に教えて欲しいんだ・・・私の事、何処が良いの?」
「・・・優しくて、頼もしい」
「ふーん、そう」
「ふふふ、課長、会社の女の子に人気が有るのを
　知らないのですか?」
「全然」
「へー、そう・・・誘われない?」
「全く」
「へー、そう」
「頭も良くないし、顔も普通だし、スタイルだって
　お腹が出て来た」
「男は外見なんてどうでも良いの
　・・・抱かれたい男は、一緒に歩きたい男とは違う」
「だったら、抱かれたい男とはどういうの?」
「強そうで、頼もしそうな男」
「強いはセックス?」
「セックスも含めて全て」
「別にセックスは強くないよ」
「課長って本当に自分の事分かってらっしゃらないのね
　・・・強過ぎるわ、セックス」
「強過ぎる?」
「ええ、私、課長が一回良くなる間に、何回逝かされているか　　知っています?」
「うーん・・・何回も大声で絶叫しているな」
「そうでしょう?」
「と言う事は結局は・・・セックスだけ」
「セックスだけの男は沢山居るわ・・・頼もしいの、みんなが
　・・・安心出来るの、一緒に居ると」
「だったら、中々じゃ無い」
「中々では無く、上々なの、課長は」
「褒め過ぎ」
「これでも控え目に言っています
　・・・だから私は課長に惚れて愛したんです」
「ふーん、分からないなー
　・・・中年のこんな普通のおっさんなのに」
「ふふふ、もう分からなくていい
　・・・他の女に取られたく無いから」

　　　　　・・・つづく