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息子の高校卒業式

2007年07月10日 11:45

もうそれは先週の金曜日で、その日は何やかやで一日忙しかった。

息子の病気が一進一退で少し良くなりかけていたものの再度、痛みが戻ってきて何日か使うことのなかった痛み止めをまた使い始めたことと午後からはその、息子高校卒業式がありその後、夕方から街の中心にある教会の伽藍を借りて卒業パーティーが夜中まであったからでこの日を家族も子供たちも待ちかねていたということもあり、うちの中は少し緊張した場面もあった。 それは彼にこの日一日普通に人の中で普通に立ち振舞える体力が充分あるか、ということでもあったのだ。

25,6人で一クラス、それが7クラスあるから全員では200人弱、試験に通過できずに落第するものも数人はあるものの殆どが卒業する。 この学校の卒業式のやり方はそれぞれにの家族、友人を4人まで招待して只単に卒業証書を渡して終わり、というやり方ではなく、担任が卒業者の特徴、いかに成長したか、そして卒業後の進路についてなど個人のプロフィールを2,3分のコメントにして参集した人たちの前でスピーチの形で発表するという形式をとっている。 そうすると単純計算で3x200=600(10時間)ということになるから全員集まっての卒業式はとてもできないということになり、一日を幾つかに区切って2クラスずつの卒業式を1ブロック2時間弱で行う。

この卒業式で日頃は自分の子供、その友達のことは身近にわかるもののそれだけではなく、今は男女とも着飾った服装で演壇にならぶ他の卒業生たちのことも自分の子供に比べても今まで以上にもっと身近にわかるということになり、それがこの学校の当初の目的と業績を示すという仕組みにもなっている。 この学校は小学校卒業してそこから大学教育に進むことを前提の中等教育機関であるから卒業試験はすなわち各自が希望する大学の入学試験という性格上、この卒業式は大学入学の確認式ともなっておりスピーチの中でその子供たちがこれからどこの大学の何学部で何を学ぶのかも紹介される。 しかし、1割ほどの卒業生は進学先は発表されない、もしくは未定だと紹介される。 それは目の前の本人が次の一年間すぐには入学せずクッションを置いて世界のあちこちで実地研修をしたりボランティアの仕事で欧米だけではなくアジアアフリカをも見聞する、とも紹介されていた。 大学に入る前に世界を経験したいということなのだろうが、この学校では他のヨーロッパのこの種の高等教育に向けての予備校的性格をもった学校と同じく、ラテン語ギリシャ語英語ドイツ語フランス語は6年間に渡って教授されていることからヨーロッパの共通言語はすぐに使えることは勿論、卒業生たちは各地ですぐに現地の人々たちとのコミュニケーションを取れることでもあり実際の各種の仕事にすぐにつけるという利点もあり、その後この卒業証書がオランダの大学、現地、もしくは他の国の大学での勉学の機会に貢献できる、ということでもある。

夕方8時からは街の中心にある教会を借り切ってここでは全卒業生と招待客たちが合わせて約1000人のパーティーがあった。 家人と娘、それに娘が正装して出かけたのだがこのような機会はあまりない。 オランダでは英米のようなすべてが同じような服装をする格式ばった卒業式は大学の卒業式以外はないから日頃とは比べ物にならないほど着飾ってはいるが体裁のいいジーンズ姿もあるからスーツネクタイイブニングドレス女性スーツ姿というのは目立つ。 うちは大学に入れば何かとスーツが入用になることから先月スーツを仕立てた息子ネクタイ姿ででかけ家人と娘はドレス姿だったのだが日頃顔を合わせるそれぞれの友達や教師たちが着飾った姿に少々戸惑いをも覚えたのだった。 それはこのような機会が殆どないからでもあるのだが、これも若者たちの大人の社会へのセレモニーでもあり各種飲み物にカナッペのつまみでの大パーティーはこの若者たちが長く待ちこがれたものでもあった。

娘は息子と同じ学校に在籍しているので彼女クラスメートの兄弟が卒業することもあり、あちこちで友達とロゼワインを手にこの日の先輩たちを見ながらあと2年後に控えたこのパーティーでどんなドレスを選ぶかということもしゃべっているのだろう。 考えてみるとこのような学校行事で着飾る機会は実際は小学校のときから高校まで一年に1,2度はあった。 その一つは毎年暮れのクリスマス小学校一年生から一夕子供たちのクラスで晩餐会のディナーがあることだ。 この日はまだわけも分からないままに親に着せ替え人形衣装よろしく着せられたネクタイドレスといういでたちでキャンドルを前にして父兄の協力でこしらえたメニューを日頃の教室のフルコースとしておこなうのが普通であるから慣れているといえば慣れているのだがさすがその頃から身知った子供たちの顔も今日のこの卒業生の中に何人か見えることから自分の子供たちの変わりようだけではなくその子供たちの成長の様子を見て一層感慨が湧く。

18世紀に建造された大伽藍は1000人が座るスペースは充分にあり卒業生の中で様々なタレントをもつもの、それは大学で勉強するだけではなくコンセルバトワール、音大で専門教育を受けるものも何人もいることからそれらがショパンソナタ弦楽四重奏声楽ジャズなどの音楽を次々に個人、グループで披露し、彼らの次の学業の入学試験の成果として示された。 それに趣味のグループがいくつもあり小バンド、教師を含んでのビッグバンドなども披露され1時間はエコーの充分利いたスペースに音がひろがることとなったのだが、その後は他のスペースで立食パーティーとなったのだからこの大伽藍の収容能力の大きさに驚いたのだった。 もしかすると詰め込めば1万人は入るのではないかと思うほどの空間だ。 各種の演奏は中央の演壇で行われたのだが座る位置によっては演者が良く見えないこともあり何本もある大きな石柱には各場所にモニターがかけられ何台ものカメラで捉えられた映像が映し出されておりコンサートと式次第の模様を収めたDVDは後ほど卒業生たちに記念として配布されることとなっていると聞いた。

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