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犬の鼻

2007年07月09日 12:59

犬の鼻

今日、犬の鼻を見た。

犬の鼻、というのはもう1970年代からオランダ国鉄で走っている電車の愛称のことで先頭車両の前部がビーグルとかぽってりしたラブラドルかそんな犬の鼻先の形を思い起こさせるからである。 オランダ国鉄の色は少し橙が混じった黄色でそこに濃紺でふちどりや線がはいるのだけれど、この犬の鼻は新旧交代の時期を終えてもう殆ど姿を消しつつある。 地方の路線や各駅停車列車に利用されている。

今晩又アムステルダムで9時から始まるジャズコンサートのために7時半の電車に乗ったら同時にプラットホームの反対側から出たのが犬の鼻だった。 大体速い列車ほど最新車両が使われるようで私の乗ったものは国際空港スキポールまで15分ほどで運んでくれるものだから時々青い制服のKLMのスチュワーデス空港を利用する乗客が多く乗り降りするのを考慮に入れてか新しい二階だて車両インテリアは小さい航空機の内装を思わせるようでもある。 

この日、通路を挟んで向かい合う座席に座っていたのは30前の母親、その60を越したかと見える母親、5歳ぐらいの男の子に3つほどの女の子中国人の家族でなにやら喧しい。 子供がやかましいのはわかるのだが、子供たちはおとなしく菓子を口にしているものの母子が周りを気にしない話し方で母親母親、おばあさんがアルコール分10%のビールの大型アルミ缶を手に一層なにやら力が入っている。

私はいつものように、まわりの聞きたくない音に煩わされないようにジャズをイヤホンで聴くことにしているのだがそれでも時々はそちらを見るほどの話の音量なのだ。 中国語の力の入った話しは、とくに女の響きはかなわない。 これほど傍若無人に大声で話すのはこの車両には私のほかには殆ど乗客がない、ということのせいもあるのだろうが、それでは日本人のこのような家族の場合にはこれほどの喧騒になるのだろうか。 最近は傍若無人に振舞う中年婦人が多いと聞くが比べて見たい誘惑に駆られるが、多分中国語の音声構造にもそのように聞こえるかなりの理由が潜んでいると想像する。

それで、窓外を見るとそこにそれこそ車に遅れまいと疾走して追いかけてくる犬の鼻がいたというわけだ。 同時にこの犬の鼻はスキポールを経由せずすこし迂回してハーレムを通過しアムステルダム中央駅に着くことになる。 ハーレム経由はそれまでに幾つかの田園の中の駅に停車するためスキポール経由では35分ほどで着くところがそれに20分ほど加算されおくれて中央駅にたどりつくのだ。 帰路、私は、コンサートに熱が入りアムステルダム発12時30分に乗り遅れたため犬の鼻のコースを10分遅れで50分かけて戻ってきた。 このハーレム経由ルートのいいところは古くて趣のあるハーレム駅に停車することだ。 

4日ほど前に夕食後、同じ目的で同じ電車に乗った。 このとき夕食で摂ったワインが利いたのかアムステルダム駅到着前に居眠りをして、気が付いたときは乗客は降りてしまっており荷物をつかんで慌てて階段を駆け下りて乗降口の開閉ボタンを押したのだがドアは開かずそのままプラットホームが後ろに動いて去った。 慌てて長い車両の端、車掌がいるほうに向かってあるいていき頑丈に閉まった乗務員のドアを叩いても何の反応もない。 車掌は中央駅で降りてしまっており運転手だけがこの電車を動かしているのだ。 そこで、仕方なく反対側、運転手の方に歩いていく間に幸いなことに1kmほど行ったところで停車した。 そこは目的のコンサートホールのまん前でここで下ろしてもらえれば何も言うことはないのだがドアはどこを押してもうんともすんとも動かない。 最終駅で車両を点検しないことがこのように間抜けな乗客を中に閉じ込めて走ることになる理由なのだが私が恐れたのはそれからどこかの操車場に連れて行かれて翌日までこの中で閉じ込められることだったのだが、そのときには、まだ運転手がいる間なら非情ベルが役に立つのだろうがそれをわざわざ使って事を荒立てたり騒動を起こすのは控えたほうがいいにきまっているともう既にとまっている運転手席のドアを叩いても何の反応もない。 妙だ。 こんなところで運転手席の外に開くドアを開けて線路に下りるわけはないので私がここに来る間に何両も続いた二階建ての私は下を歩いてきたところを運転手は上を通って最後尾に向かったのだろう。 つまり上と下で行き違ったということだ。 現に電車は今来た方向に向かっている。 それなら中央駅に戻るから一安心ということも考えたのだがまだ操車場に向かう可能性もあるので今は運転席になっているドアを再度叩くと中からのっそり黒人の運転手が出てきた。 寝過ごしてね、と私がいいわけをすると、ボソリとそうかい、じゃ、まってな、といったきりでドアを閉めてしまった。 2分ほどで電車は元の中央駅に着いてがらんとしたプラットホームに放り出された。 そこから1kmほど先ほど鼻の先まで来ていたコンサートホールまでとぼとぼと歩かなければならなかったのがばからしかったのだがこれも自分の撒いた種だ。

1時を廻った夜中に降りる自分の駅を寝過ごしたことはまだない。 そうなると悪くいくとブリュッセル方面までつれていかれる可能性も無きにしも非ずなのだが今まで起きていたというのは生活時間が夜型になった習性からなのかどうなのかは一度そのあたりまで連れて行かれてみないと検証できない。

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