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忘れ物; 老眼鏡

2007年04月20日 03:53

忘れ物; 老眼鏡

たまにしか出かけない仕事場で日常必要なものをそこに忘れてそれを家に戻ってから思い出す。 次の日にまた出かけるのであればそれを次の日にもって帰ってくればいいのだがそれまで待てないようなものがある。 例えば我々の歳になれば必要な老眼鏡がそれだ。

何年かに一度は買い換えるものであるのだからそういう事態になれば依前に使っていたものをどこかから探し出してきて使えば何とかなるのだから帰宅後は去年まで使っていたものをどこからか探し出してきて昨晩はなんとかした。

今日、仕事が終わりそのままアムステルダムに出てジャズコンサートに行くことにしていて仕事場ではコンピューターの店じまいをするときに少々様子がおかしくて気も少々そちらの方に向かっていてそれでもなんとかバックアップの操作も済みそれで気も緩んでいたのかもしれない。 今日は忘れないで持ち帰らねばならない老眼鏡をまたもや机の上に置いてきてしまった事を思い出したのは6時になっているのにまだ陽が高い、アムステルダムに向かう列車のなかで咽喉を潤すのに駅で買った缶ビールを飲み干した時だった。 出るときには何やかや時間をつぶす為の読み物をかばんに入れたのにそれを読もうとすると肝心の老眼鏡がない。 なんたることだ。 耄碌もかなりなところまで押し寄せているな、と苛ついた。 が、考えてみると若いときからこういうことはあったようなのだがそのときはあまりそういうことには気にもせずのんびりしていたのかもしれないし、老眼鏡よりももっとだいじなものの方に気が行っていたので眼鏡などには気が行かなかったのかとも思ったのだが、考え直してみるとそんな若いときは老眼鏡などかけていなかった。

そうするとこの3,4年ぐらいのことか。 まあ、しかし、老眼鏡がなくても本などは読めるのだ。 眼鏡自体は大したことではないのだが忘れた、ということの方に苛つきが燃え上がり渋く口の中で舌打ちする。

車窓の先にはここから世界中に輸出される球根畑の花のカーペットが水路をへだてて空の蒼に美しく映えているのだがそれぐらいでは私の苛つきは収まらない。

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