カフェーのテラス

今日は日中温度が２５度まで上がったのだという。　そのせいか目がしょぼしょぼして鼻汁が出る。　典型的な花粉アレルギーの症状だ。　３月の初めにかなり暖かくなったけれどこういう症状が出ず、今年はこのままいくのかな、と思っていると中ごろからまた温度が下がりやっと今徐々に本格的な春になり今晩のテレビの天気予報では今日の天気は初夏だ、と言っていたほどだ。

昼間息子に約束していたように二人で自転車で町の服屋に出かけて息子のスーツを選んだ。　高校もこれからあと４週間ほどで全国共通卒業試験が行われ６月の初めに結果が出て通過すれば大体希望の大学にそのまま入学できるシステムであるから、実質的な卒業、入学試験ということになる。

六月初めの関連パーティーや９月の大学入学以降様々な機会に制服がわりの礼服としてスーツを着ることが多くなるので卒業を見越してこの際に作っておこうということになっていた。　息子はこの２年ほど私が２０歳ごろに着ていたスーツを着ていてネクタイにしても私のかれこれ３０本以上あるものから勝手に選んで締めていた。　だからスーツを着るのは初めてではないものの自分で選んだ初めてのスーツであるし今様のスタイルに身を包む嬉しさもあるのだろう。　学生は初めの３年ぐらいはどうせスーツを着て無茶をするのだから初めから高いものは買わない。　２年もてばいいほうだろう。　　

１０分ぐらいで適当なものを選び、ズボンの長さを調整するのに一週間ほどかかるといわれ、ネクタイとシャツを選んで３０分もかけずに店から出た。　うちの女共とこの手の買い物をすると際限なく惜しみなく時間が流れていくので極力彼女たちに同行するような愚は避けようとするのだが男二人では甚だ簡単に物事が運ぶのでフラストレーションも溜まらずすっきりと日差しが強く暖かな表に出た。

二人でこんな気持ちのいい日差しのなか、そのまま帰るのももったいない気がして、うちの近くのもう１００年ほども続いている古いカフェーの前に椅子とテーブルを幾つか置いたテラスに落ち着いて日向ぼっこがてらビールを飲んだ。　つまみはオランダの丸いコロッケ、ビターバルというもので揚げたてに芥子をつけて飲み物のあてにする。