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書籍:コンサルティングの極意 論理や分析を超える「10の力」
2015年03月29日 23:53
今回の紹介は、岸田雅裕氏の著書。
■コンサルティングの極意 論理や分析を超える「10の力」
■岸田 雅裕(著)
著者はコンサルタントとして働くうちに、10の力を鍛えるように心がけるようになったそうです。
コンサルタントというとロジカルシンキングの手法を使う方が多いですが、それだけでは差別化できませんし、クライアントとの距離も縮まりません。
本書の「10の力」を鍛えていけば、真の信頼関係が構築され、価格競争やコンペに巻き込まれなくなります。
この「10の力」はコンサルタントはもちろん、全てのビジネスマンにとって必要な素養といえるでしょう。
鍛えれば、将来的に大きな差別化を図れるようになります。
それでは特に参考になった話を紹介していきます。
●人間は、自分に対して本当に興味を持って、敬意を抱いているとわかる相手に対しては好意を持ち、その相手の質問には、ちゃんと答えてくれるものです。
下準備をすることが大事なのは、コンサルタントだけでなく、ほかの業種にもいえることです。
初対面の相手と会うとき、調べればわかれることを改めて聞くのは時間のムダです。
これだけインターネットが発達しているのだから、その会社がどんな新製品を出しているとか、相手が何年生まれで何歳だとか、どこの部署を経験したかというようなことは、ちょっと検索すればわかることです。
「下調べをしておくと相手は悪い気がしない」というより、むしろ「会う前に下調べしておくのが礼儀」だというときもあるでしょう。
ここまで準備するのも「聞く力」の一部なのでしょう。
(P34~35引用)
面談の結果は会う前に半分決まっているともいわれています。
下準備をして、相手のことを把握しておけば、交渉にも落ち着いて臨むことができます。
現在はSNSなども発展し、相手の状況は把握しやすくなっています。
少しの時間でもいいので、予習するようにしておきましょう。
●トップ同士の商談のお手伝いをしたところで、われわれのコンサルティング料にはなりません。
でもこのような献身も、コンサルタントの重要な仕事の一つです。
私たちコンサルタントができるのは、専門性によって、プロジェクトで問題解決をして、フィーをいただくということではありません。
私の持っているもののなかには、人とのネットワークや個人的な趣味の知見など、いろいろなものがある。
本当にクライアントに献身するためには、自分の持てるものを全部使うことが求められていると思います。
(P51~52引用)
お金になるならないを度外視してでも、献身する。
この「献身」がクライアントとの信頼関係を構築していくのです。
信頼を得られれば、長期契約につながります。
価格競争にも巻き込まれなくなります。
●中期経営計画は3年とか5年とかに1回作るものですから、1つの会社のなかには中期計画を何回も作った人はあまりいない。
でもコンサルタントはさまざまな会社の中期計画を何社も手がけたことがあるから、中期計画作成に習熟している。
となると、コンサルタントを雇ったほうがいい。
企業の変革も同じことで、そうそう何回もやることではないので、何社も手がけているコンサルタントを雇って、失敗を少なくしたほうがいい。
しかし、コンサルタントがやっていることは、そのうち企業の側でもできるようになります。
最初は経験がなくても、ずっと変革を繰り返していくと、企業の側でいろいろなことがやれるようになる。
だからわれわれコンサルタントの仕事も最初のうちは非常に高い価値を認めてもらえるのだけれど、同じことをやっているとその価値が下がっていきます。
(P100引用)
クライアントも学習していくうちに成長する。
そのうち、コンサルタントのやってくれていることでは飽き足りなくなってくる。
だからコンサルタントは進化し続け、違ったものを提供していかなければならないのです。
●紙に落とすと、コミュニケーションの行き違いが浮き彫りになる。
口頭のコミュニケーションだけをしていると、なとなくお互いわかりあえているような気がする。
しかしそれが同床異夢であることは珍しくありません。
もちろん口頭のコミュニケーションでアイデアを出したり、親睦をはかったりすることも重要です。
でも、紙に落としてみると、「本当に同じ目的に向かっているのか」「いいと言ったけれど、どこを指していいと言ったのか」が確認できる。
(P128引用)
紙に書いて話すことで、お互いに頭の整理ができる。
また解釈の食い違いもその場で確認できる。
私自身も紙に書いて、部下と確認するようにしてからは、意思疎通がだいぶ上手くいくようになり、伝達ミスもほとんどなくなりました。
また視覚化することは、理解の助けになります。
●常にいいサイクルに自分を置くためには、悪いことは頭から追い出す必要があります。
しかしこれは自分に都合の悪いことは忘れてしまえということではありません。
上手くいかなかった出来事から学ぶべきことは多いものです。
ただし、教訓を取り出したら、それにまつわる負の感情は忘れるべきです。
そして教訓を取り出すことも、まだ傷が痛むうちは無理にしなくてもいいと思います。
本当に振り返るのは傷が渇いてからでいい。
時間がたてば傷は治るので、そうなってからなら振り返ることも苦痛ではない。
傷が治るには時間がかかります。
傷をいくら見つめていても治癒が早まるわけではありません。
このデジログへのコメント
同床異夢、確かにピンとくる言葉ですね。
紙に書くとあやふやな部分がなくなるので、いいですよね。
紙に落とすと確かにそう
しかし逆に
細かいところが伝わらなかったりもする
片方だけでは駄目だよね
感情表現には話し言葉の方が向いていますが、事務的な正確さを必要とする場合は文字の方が優れていますね。
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