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【魔法少女っ】52-3、魔法少女のお年玉

2012年01月07日 14:54

「勉強、勉強」
麻衣子は部室に寄らずに図書館へ入った。

「……ん。代わりにわたしが構ってやろう。……おいで」
「甘える歳でもないんだよっ」
有希がいつものように部室に来る。高等の演劇部はどーすんだよ状態。
「……ん。高等部演劇部人材だけはある……だから大丈夫
「誰に言ってるです?」
「……視聴者
カメラ目線を意識した眼差し
「さすがは舞台演劇の志す者ですわ。常に誰かに見られてるつもりでのぞむわけですわ」
「なるへそ~。千歳は頭いいからわかったんだ。あたしじゃわからないなぁ」
「……視線で興奮するタイプ」
「ぴよぴよ!(なんかエロいぞ)」
茜の肩に乗ってるアドルフさん。
「……ドラゴン。……縁起物
有希はアドルフさんをなでなで…なでなで…!
「ぴよぴよぷ~!(やめれ!)」
いやいやをするアドルフさん。
あらあら有希もいるのね~」
ノックもせずに部室に入る琴。
お菓子キター
「……ん。奇遇。それとも魔法騎士はこの場所に引かれるか?」
演劇部室にいる全員が、魔法少女だ。
「そうなのかしら。演劇には願いがつまっているから、惹かれるのかしらね~」
手慣れた感じでスイーツをテーブルに並べる。
あらあら麻衣子ちゃんの分がなくなっちゃったわね~。明日からはひとつ余計に用意するわぁ~」
「……悪かったな」
「悪くないわよ、有希スイーツはね、食べられて喜びなの。疲れた心に笑顔を与える崇高な……」
笑顔笑顔って、小春みたいな事言うですっ」
あらあら。そういえば有希って昔は小春ちゃんみたいな感じってクラスメイトから聞いたわ~。うふふ」
「……からかうな」
「ほえ」
小春はきょとんとする。
「ぴよぴよぷ~(この二人は性格が真逆だな)」
しかしアドルフには覚えがあった。「極端な右は極端な左になりやすい」「極端な平和は極端な戦乱を呼び起こす」「極端な自由は極端な束縛を生む」彼の魂に刻み込まれた痛みの伴う言葉だ。
あらあら、ぴよちゃんが苦しんでるわね~。可愛い」
黒い笑みでアドルフさんの腹を撫でる。
「ぴぎゃあ~(やめんか)」

のほほんと時間は流れていく。


続く!

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