首位陥落、当分続くでしょう。

虎・球児撃たれた、九回まさか…嶋にＶ被弾
2010/8/25 7:51 配信サンケイスポーツ

　（セ・リーグ、阪神４－５広島、１５回戦、阪神１０勝５敗、２４日、京セラドーム大阪）１点を追う九回二死一、二塁。粘る黒虎の攻撃を藤川はベンチから自嘲気味な微笑を浮かべながら、見つめていた。猛虎の絶対的守護神が決勝弾を浴びて負けた－。自身今季２敗目を喫し、チームも首位から陥落した。

　「しゃあない。（投げた球を悔やむのは）それを言い出すときりがない。打った相手がうまかったということ。そういうこともある」

　出番は同点で迎えた九回。大歓声を背に１７日の横浜戦（長野）以来、１週間ぶりのマウンドを踏んだ。先頭の栗原はオール直球勝負で二ゴロに仕留めた。しかし、続く嶋に対する初球。外角を狙ったフォークが真ん中に甘く入った。快音を残すと、鋭い打球は右翼へ一直線。無情にもフェンスを越えた。

　これで、１発を食らうのは今季５本目。２００６年途中からストッパーに転向後、最多被弾となった。真弓監督は「間隔が空きすぎていたのかな」と右腕をかばった。

　だが、球児が落ち込むことはない。勝っても負けても、ゲームセットの瞬間、急いでベンチを出る。理由は「あしたに切り替えたいから。すぐにシャワーを浴びて、アイシングをする。いつまでも引っ張りたくないから」－。その行動はこの日も同じだった。優勝を争うなか、痛い星を落としたことには違いないが、まだシーズンは３６試合を残す。試合後の駐車場で背番号『２２』の表情はさっぱりとしていた。すでにその目は次戦に向いていた。「まだ週の頭。まだ（今週だけで）５試合もある。また、あした頑張ります」。５年ぶりのリーグ優勝にこの男の力は必要不可欠。へこたれるわけにはいかない。
[ 2010/8/25 7:51 更新 ]
サンケイスポーツ