５連敗●●●●●

阪神、泥沼の５連敗…メッセンジャー６失点
４回、ベンチでがっくりの阪神・メッセンジャー＝１０日、マツダスタジアム（写真：サンケイスポーツ）



（セ・リーグ、広島７－６阪神、１３回戦、阪神９勝４敗、１０日、マツダ）阪神は先発のメッセンジャーが５回６失点でＫＯ。終盤に城島の２ランなどで追い上げたが、反撃およばず５連敗となった。


　汗びっしょりの巨体が力なくベンチへ歩いた。思うように制球できない苦しい投球。四回、一挙４点を奪われたメッセンジャーは、硬い表情のまま下を向くしかなかった。

　「チーム状況はよくないけど、気にしすぎるとよくない。自分のできることをするだけさ」

　平常心でのぞんだマウンドは、一瞬で悪夢に変わった。一回、一死から梵に中前打。赤松のゴロは高く弾んで一塁頭上を越えて右前へ。ランエンドヒットで一、三塁となった。ここで栗原の遊撃右へのゴロを鳥谷がトンネル。併殺コースから一転、先制点を献上した。続く広瀬の右犠飛で簡単に２点を失った。

　二回、三回もペースをつかめない。直球は１４０キロ台前半にとどまり、ボールが先行。毎回走者を背負うと、四回だ。連続四球と犠打で一死二、三塁。満塁策で投手・篠田との勝負を選んだ。ところが、カウント２－０と追い込みながら粘られて６球目。真ん中に入ったフォークにバットを合わせられた。前進守備の右中間を真っ二つ。走者一掃の三塁打であっさり勝ち越された。東出の右犠飛でさらに追加点。まさかの５回６失点。虎党のため息とともにマウンドを降りた。

　「毎日よりよくなるために、やることをやっているよ」

　無傷の３連勝だった。４試合すべて６回以上を投げていずれも２失点。１勝５敗でロードをスタートした先週の６連戦でも唯一勝利をもたらした。信頼を増して、任されたカードの初戦だった。

　不調のチームは先発不足に悩む。“６枚目”に指名された小嶋は、即２軍落ち。中継ぎ待機の安藤についても、山口投手コーチは「まだ（復調の）確証がない」と消極的だ。主戦のスタンリッジも背中の張りで８日の登板を回避するなど苦しい台所事情。背番号５４は、中４日で１５日のヤクルト戦（京セラＤ）に回ることが濃厚だ。

　「（仮に）中４日でも問題ないよ。チームに貢献するだけさ」

　力強く話して昇ったマウンドだったが、悪循環の波にのまれてしまった。８月のロードに入って白星をつかめない虎。暗雲がいっそう濃くなった。