また黒ユニホームに替えますか？

秋山よかったよ！

阪神・秋山、ローテ合格！次勝てまっせ！
2010/8/22 7:51 配信サンケイスポーツ

　（セ・リーグ、巨人８－３阪神、１８回戦、９勝９敗、２１日、東京ドーム）１球１球に注がれる大歓声が、１９歳の少年への大きな期待を示した。降板後、ベンチであふれた涙も、原石の輝きの１つ。高卒新人の秋山が、何度も、何度もマウンドで跳ねた。

　「いつも通りと意識していたけど、巨人ということもあって硬くなった部分もありました」

　二回に２失点も、三回はラミレス、阿部を連続三振で主軸を３者凡退。最速１４２キロ以上に威力を秘めた直球がバットにくい込み、カーブとフォークで幾度となく空を切らせた。四、五回も無安打で、３、４番は３打席快音なし。年俸５億円のラミレスから２三振を奪った。６００万円の若者が、約８３倍の球界最高年俸を完全に封じた。

　「思うようにはできた感じです」

　球団史上初の高卒新人が巨人戦で初登板。６回４失点で初黒星も、期待以上の存在感を示したことは確か。真弓監督も、「よく頑張ってくれたよね。低めにしっかり制球できていた」と称えた。

　地元・愛媛は、プロ野球中継のほとんどが巨人戦。幼少からＧ党として育った。小学生の頃から主軸の高橋は「ウルフって喜んでました」と笑う。ところが、野球帽はなぜかタテジマだった。「黒より白のシマ模様の方がかっこいい」。伝統の一戦の申し子が、現実となった夢舞台で躍動した。

　当時とメンバーは変われど、巨人の破壊力は同じ。「五回を投げることを目標にします」。その節目まで、見事に１点リードを死守した。六回、高い壁は目標の直後に訪れたが、久保投手コーチは「低いところに決めていた。ああいう姿を見ると、次も投げさせてみたいよね」とローテ入りを約束。不安な先発陣に差し込めた光を口にした。

　「通用する球もあった。今後うまく使えるのかな…」

　顔を上げたルーキーは、力強く歩いた。ドラフト４位指名に悔し泣き。あれから１０カ月、猛虎の一員として敵地のベンチに落とした涙は、いつか必ず歓喜の涙に変わる。
[ 2010/8/22 7:51 更新 ]