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碧い瞳のアンティークドール 20話

2009年02月23日 09:13

醜い人達…‥

そして夜中に女の子が私を物置から出してくれた

そして、真っ暗な家の中…私を抱いて連れていってくれた場所は…

そう…‥

おばあ様の棺の前

女の子は小さな手で棺を開けた
そして私をおばあ様の隣にそっと寝かせてくれたの

もちろん、手紙も一緒に

「おばあ様との約束だから…あなたとお別れするのは辛いけど…‥」

初めて女の子は喋りかけてくれたの

そう…‥
女の子はおばあ様と約束をしていた

(私が死んだら人形を届けるから、隣に連れて来てちょうだい…‥)

おばあ様の最期の言葉を女の子は守ってくれたのね

「さようなら…‥」
(ありがとう)

最初で最後の言葉女の子はにっこり笑って、そっと棺を閉めた…‥
誰も開ける事はない
私はおばあ様に抱かれて眠りにつく

明日は、会えるのね?
辛い日々も終わる…
人形だって生きている

黙って見つめているだけと思ってるでしょうね

でも、ちゃんと私はこの瞳で世の中を見続けてきたのよ…‥
私は人形
名前なんてないの
いえ、あったけど、たくさんありすぎて、もうわからない

だけどね…‥
私にはとても気に入った名前があるの

そう…‥
一番最初のご主人様がつけてくれた名前
アンナ…‥
私は今でも覚えている
別れた時のとても悲しそうな顔…‥

もし、私が人間だったら、たくさんお話したい事があったのに…‥

おばあ様…‥
そろそろ時間みたい
最後の私の瞳に焼き付いたものは、真っ赤な炎…‥

苦しくはない
だって私は人形だから

自慢のドレス金髪の髪も燃えて灰になっていく

私は何の為に生まれて来たのかしら…‥
一番悲しいのは私が人形だと言うこと

それが
一番…‥辛かったの
いい匂い…‥
そう、これはミルクの匂い

やっと逢えたね
えっ?
この声は…‥

「約束が遅くなってごめんなさい」

アンナ…‥?

でも、私はもえ灰になってしまったから…見ないで…

「これからは、ずっと一緒よ」

一緒…?

「早く瞳を開けて、綺麗な瞳を見せて頂戴」

瞳を…開ける?

私は言われた通りに、そっと瞳をひらいたの

「…アンナ

「ルル…私の大切なお友達

そう
私の大好きな名前

ルル…‥

「もう、いつまで寝てるの?早く遊びましょ」

「えっ?」

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