- 名前
- シュリ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 61歳
- 住所
- 福岡
- 自己紹介
- 特になし
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碧い瞳のアンティークドール 15話
2009年02月18日 07:17
だけど、私は人形…真実を告げただけのルネが酷く叱られているのを、ただ黙って見ているしかなかった
私と同じ瞳をもったルネ
真実を告げて叱られ、悲しそうに泣いていた
そんな姿が私の碧い瞳にしっかりと焼き付いた
それからルネは心を閉ざした
何を言っても信じてもらえないし、叱られてしまうから…
「さっき、隣のおじさんが来たよ」
ええ…きっとルネに最後の言葉を伝えに来たのね
「幸せだった…でも、子供達が心配だって言ってた」
そうね…確かに聞こえたわ
「でも、僕にはそれを伝える事は出来ないんだ…また叱られてしまうから」
可哀相なルネ
彼のまわりには常に死者がいた
最後の言葉を伝えてもらうために…‥
「もう来ないで!僕には何もしてあげられないんだ…‥」
小さな心を毎日、痛めていたのを私はただ、黙って見つめている事しか出来なかった
そしてある日…‥
「パパ…‥」
そう、ルネのパパがやって来たの
とても寂しそうな顔をして、ルネを見つめていた
「パパ…‥」
「ルネ…まさかこんな形でお前を信じる事になるなんて…」
「パパ…嫌だよ…‥」
「ごめんな、ルネ…」
「ダメだよ…死んじゃダメ!」
「お前にはもうわかっているんだろ?だから…お前に頼みがあるんだ」
「頼み?」
ルネはパパから最後の言葉を聞いて、小さく頷いた
「頼んだよ…ルネ…ママを助けて二人で仲良くな」
「パパ…‥」
それがパパの最後の言葉
それからすぐに電話が鳴った
ママはその電話に出て、泣き崩れたわ
「ママ…‥」
「ルネ…パパが事故で…パパがぁーー!!」
「ママ…しっかりして」
「どうしてよ…今日は結婚記念日じゃない…私、腕によりをかけて料理を作ったのよ…?パパ…聞いてる?」
そう、今日はパパとママの結婚記念日だった
ママは警察や病院に行き、冷たくなったパパと家に帰ってきたのは、真夜中だった
料理もすっかり冷え切って、寂しそうにテーブルにならんでいたわ
ママはパパの傍でずっと泣いていた
ルネはその姿をじっと見つめていた
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