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碧い瞳のアンティークドール 14話

2009年02月17日 07:46

【七人目のご主人様

ルネ

不思議な力を持ったばかりに

寂しい思いをしていたわね


「妹の出産祝いは、この人形にするわ」
私を見つめながら笑う

「だけど、男の子だろ?」

「でも、気に入ったから」

やれやれ…ホントは君が欲しいんじゃないのか?」

「うふふっ」

仲の良さそうな夫婦
こうして私はまた買われていった

「はい、気に入るといいけど」

「何かしら?」

「うふふっ」

箱をそっと開ける音がする

そして、私を見て微笑んだ

「ありがとう…だけど、ルネは男の子よ?」

「もちろん知ってるわよ…でも見て、ルネと同じ、綺麗な碧い瞳」

「本当ね…‥綺麗な瞳」

私の瞳を見ながら箱からそっと取り出し、ベビーベッドの中に、置かれた

ベッドの中には可愛い赤ちゃん

私を見て天使のように笑う

それがルネとの最初の出会いだったわ

私とルネはいつも一緒だった

5才になってもルネはいつも私を抱いていた

「ルネ、そろそろお人形を離しなさい」
「いや…‥」

「まぁ、いいじゃないか」

厳しいママと優しいパパ

だけど、仲のいい夫婦だった

ルネも一人息子として、とても大切に育てられたの

でも…‥

ある日、ルネの言った一言で、幸福な家庭がゆっくりと崩壊していったの

「おばあさまが…さようならって…‥」
突然、ルネが言ったの

「ルネ!そんな冗談は許しませんよ」

ママはとても怒っていたわ

「だって…おばあさまが今、来たんだ…」

「ルネ!いい加減にしないか!」

優しいパパも初めてルネを叱った

「グスッ…ホントに来たんだ…‥」

ルネは私を抱きしめながら言った

ええ…ルネ…
私にも見えたわ

おばあさんが寂しそうに、別れをルネに言って消えていったのが

その時、電話が鳴ったの

電話に出たママは座り込んで号泣していた

慌ててパパは電話をかわって話をしていたわ

そして電話を切って泣いているママを抱きしめた

「嘘よ…ママ事故で…嘘よ…」

そう、ルネの見たおばあさんは数分前に、事故で亡くなっていた

「あんたが…あんたが変な事を言うから!」

ママはそう言ってルネを睨み付けた

違うわ…‥
ルネは本当に見たのよ

もし、喋れるなら、そう言いたかった

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