- 名前
- シュリ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 61歳
- 住所
- 福岡
- 自己紹介
- 特になし
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碧い瞳のアンティークドール 4話
2009年02月07日 00:25
【二人目のご主人様】
エイダ
エイダは私の事が
嫌い…‥
私は毎日、アンナの事を思い出していた
綺麗なガラスケースに入れられ、道行く人の中にアンナを捜した
立ち止まり、硝子越しに私を見ながら溜め息をつく人々
そして私も気付いたの
私はとても高い人形だと…‥
私からご主人様は選べない…‥
ただ、毎日微笑みながら碧い瞳でたくさんの人達を見ているだけ
「ママ、これでいいわ」
私を見ながら意地悪そうに笑ったの
私と同じ豪華なドレスを着た女の子
ママは私を見つめながら、お店の人に声をかけたわ
私はガラスケースから、そっと取り出され、また暗い箱に入れられたの
それが二番目のご主人様、エイダとの出会い
箱を乱暴に持たれ、私の自慢の髪も乱れてしまったみたい
そして、箱を力任せにこじ開けた
明るくなって見たものは、意地悪そうな女の子の顔
「生意気な顔!」
自慢の髪を持ちながら、箱から私を取り出した
逆さまにされたり
ドレスを脱がされたり
振り回したり…‥
エイダは抱きしめてはくれなかった
毎日、私の自慢の髪を引っ張りながら、「声をおだしなさいよ!」と…‥
そんなエイダを見てもママは何も言わずに、新しいドレスに夢中だった
「ママ…‥」
そして私は気付いたの
エイダは意地悪なんかじゃないって…‥
ママに構って欲しいんだって…‥
エイダは何でも欲しいものを手に入れたけど、本当に欲しかったのは、ママがエイダを見つめる優しい瞳と「愛してる」の言葉
ドレスや宝石に目を輝かせるママ
そんなママを見つめる寂しそうなエイダ
私の碧い瞳にしっかりと焼き付いた
そして、ある日ママが、言ったの
「エイダ、今日から貴方の新しいパパよ」
私も嬉しかった
これでエイダは幸福になれると思っていたから
でも…‥違ってた
新しいパパはお金を湯水のように使ってしまった
ママは大好きなドレスも宝石も手放したの
毎日、泣いているママを見ながらエイダは言ったわ
「ママ…私が居るよ…私じゃママの涙は止まらないの?」
そしてママは気付いたの
大切な宝物はすぐ傍にあった事に
エイダを抱きしめるママ
やっと欲しいものが手に入ったエイダ
私を初めて抱きしめた
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