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碧い瞳のアンティークドール 3話

2009年02月06日 09:00

今でもその時のアンナの顔は忘れられないわ…

アンナ…許しておくれ…パパお友達を信じたばかりに…会社を無くしてしまったんだ…」

アンナにはよくわからなかったみたいだったけど、私には理解出来たの

優しいパパお友達を信用して借金保証人になっていたみたい
でも、友達に裏切られ、多額の借金が出来てしまったの

アンナと暮らしたこの家も、パパの会社も全て借金の為に手放すことになってしまった

アンナ…今はお金が必要なんだ…わかるね?」

アンナは可愛い首を傾けながら、話を聞いていた

人形を…売るから渡しなさい」

この言葉でアンナは、少しだけ理解出来たみたいだったわ

「いやっ!絶対いやっ!」

アンナは、私を抱きしめながら泣いたわ
アンナ…わかっておくれ…その人形を売れば、暫くは飢えをしのげるんだよ…パパママアンナに、ひもじい思いはさせたくはないんだ…」

辛そうなパパの顔…
悲しそうなママの顔…

泣きじゃくるアンナの顔…

私の碧い瞳にしっかりと焼き付いたわ

アンナは泣きながら最後に私の髪を優しく撫でながら言ったの

「必ずまた一緒に暮らそうね」

私の頬に優しく悲しいアンナの涙が零れ、私も初めて涙を流したわ

「次に会う時まで、もう泣かない…必ず、必ずまた一緒に…約束よ」

私の小さな手を握り、指きりをしたの

だから、私もアンナと再び逢うまでは泣かないと決めたの

最後にしてくれたキスは、ミルクの香りはしなかった

だって…ミルクすら飲めない程、生活は追い詰められていたから

私を売って、アンナミルクを飲めるなら喜んで売られるわ
だって、私達は約束したもの…

必ずまた逢うと言う約束を…

そして、私はまた暗い箱に入れられたの
アンナはいつまでも泣いていた

我慢しながら
泣いていた

さようならアンナ
私はいつまでも待ってるから…

優しいキスをありがとう

温かい涙をありがとう

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