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碧い瞳のアンティークドール 19話

2009年02月22日 09:17

そしてまた次の日…
家族に止められながら、またやって来たわ

「おばあ様…こんな人形全財産を注ぎ込むなんて馬鹿げてる」

「そうよ…私達は今まで何の為に…」

「おい」

「あっ…‥」

「いいんだよ…お前達が私の財産を欲しがっているのは知っていたさ」

寂しそうに語るおばあ様…

「この子だけだよ…何の見返りも欲しがらず、私に優しくしてくれたのは」

「だったら…」

「ああ…ちゃんとこの子には財産を残すよ…ただし、この子が成人になるまでは自由にはならないがね」

「なっ!」

「だから、この子を可愛がっておやり…出来れば、財産に関係なくね」

「おばあ様…‥」

そう言って、女の子の頭を優しく撫で、店に入って来たわ

そして私は、このおばあ様に買われたの
もう、これで最後にして欲しい…‥

私の永遠の居場所はどこにあるの?

久しぶりに箱に入れられ、私は売られた
最初に私を抱きしめてくれたのは女の子
そして、私にあの紙を見せてくれたの

そこに描かれていたのは、間違いなく私だった

ドレスも今では汚れてしまったけど、紙には綺麗な私がクレヨンで描かれていた
涙を流すことも出来ない
私は人形だから…‥
女の子はとても私を大切にしてくれた

そして気付いたの…
彼女の声を、私は聞いたことがない事に
喋れないのか
喋らないのか
私には分からなかったけど、いつも笑顔で私を抱きしめてくれた

そして…‥
私にも、永遠の眠りが訪れようとしたの…‥

「おばあ様!しっかり」

早く死んでしまえ…と裏の顔が丸見えの人達

涙なんか流さない

だけど、女の子は泣いていた
とても綺麗な涙

その涙を見ながらおばあ様は、女の子の耳元で何かを呟き、そのまま息を引き取ってしまった

それを見届けると、大人達は一斉に家中、金目の物を探し出した

おばあ様が今、亡くなったばかりなのに…‥
そんな大人達を見て、女の子は私をそっと、物置に隠したの
すごく嬉しかったけど、直ぐに見つかってまた私は…きっと売られてしまうのね
そして、おばあ様の遺言遺体は火葬に…‥
大人達はさっさと終わらせようと適当お葬式をしたわ

そして二度と開かない棺に布をかけたの
今日は火葬出来ないと聞いた大人達…‥みんなまた、狂ったように家中を探し回っていたみたいだった

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