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碧い瞳のアンティークドール 12話

2009年02月15日 00:24

【六人目のご主人様

ベラ

捨ててしまったものは

もう取り返せない


雪の日に、私を見つめる裕福そうな女性
「この子ならきっと、気に入ってくれるわ」

そう言って、その女性は、私を迷う事なく買った

ただ、今までと違っていたことは、なかなか箱を開けてもらえなかったこと

私は真っ暗な箱の中
聞こえて来るのは女性の話し声

しばらく泣いた後、箱を持ち上げ歩き出した

ガタガタと揺れる

そして、また話し声が聞こえたの

「待って!」

「お願い…今日はあの子の誕生日なの…せめて…このプレゼントだけでも」

「わかったから」

乱暴に受け取り、女性を追い返した

そして、乱暴に箱をテーブルに投げ捨てたの

しばらくして聞こえて来たのは、さっきの女性と男性の話し声

「また来たわ」

「またか…‥」

誕生日だからって、この箱を…‥」

「明日、叩き返せ」
「子供を捨てて、金を選んだ女のくせに、何を今更…‥」

どうやら、さっきの女性の親戚みたい‥…

「私は許さないわ」
「当たり前だ…‥あの子はもう家の可愛い娘なんだ」

「そうよ…‥雪の日に赤ちゃんを家の前に捨てておいて今更…‥」

「子供のいない俺達には、神様プレゼントかと思ったよ」
「ええ…だから家の前に捨てた…それも雪の日に」

「すぐに引っ越したのに、どうやってこの家を調べたんだろう」

彼女ドクター奥様よ…お金が有り余ってるから調べたのよ」

「とにかく、二度と来るなと言って返して来い」

「あなたは?」

「俺が行ってもいいが、殴ってしまいそうで」

「そうよね…我が子を捨てて、今更引き取りたいなんて…私が行ってくるわ」

「ああ…頼むよ」

複雑ね…‥

どうやら当分、私はこの箱から出してもらえそうにないわ…
次の日、また私は女性のもとへ返された
「二度と来ないで!」

「お願い…やっぱり私にはあの子が必要なの」

「今更…自分が裕福になったから引き取りたいなんて…勝手な事を…‥」

「お願い…返して‥…」

「今度、家に来たら警察を呼ぶわ」

「お願い…お願いします」

「ああっーー!!」

しばらく泣き続けた女性は、箱をそっと開けて私を抱きしめた

それがベラとの出会い

ベラは私に話してくれた

何故、子供を捨てたのかを…‥

でも、余りにもベラの考えは幼稚だった

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