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碧い瞳のアンティークドール 11話

2009年02月14日 06:19

雨の日も
体を壊している時も毎日、毎日…‥

そして、長い辛い戦争が終わった

戦争が終わっても帰らない息子を待ち続けるママ

雪のようなセーターは少し汚れてきた

だって…‥

戦争が終わってから2度目の雪の季節を迎えていたから

「今日は冷えるねぇ…‥」

私を抱きしめながらブルッと震えるママ
(ドサッ)

痛い!

ママ…急に落とさないで

「ほら、綺麗なドレスが汚れてしまうよ」

そう言って私を優しく拾い上げ、ママに渡しながら言った

「ただいま、お母さん」

「あ…ああ…私は夢を見ているのかい…‥?」

私も驚いたわ

だって新聞には死んだと名前が…‥

「遅くなったね」

「ああ…!!神様!」
そう言って息子を抱きしめた

「お帰りなさい」

「ただいま」

ママとの約束を守った息子笑顔で答えた

手作りのセーターを着た息子は、とても嬉しそうだった

死んだと思われたのは、重傷を負ったまま、崖から転落してしまったから

瀕死の彼を救ったのは、敵の兵士のママ
そのママ息子を戦争に取られてしまった

これが普通なら、とっくに殺されていた
だけど、息子を想うママの気持ちに敵も味方もない

あるのは親子の愛

帰るのが遅くなったのは、助けてくれたママを一人にしておけなかったから

そして、そのママ息子も無事に戻り、家に帰ることが出来た

もう…‥二度と親子や愛する人を奪う戦争は、してほしくないと思ったの

だって…戦争は悲しみしか生まれないもの…‥

それから息子結婚して、ママと一緒に仲良く暮らしたわ

私は…‥

ママが私を見ると、辛い戦争を思い出すからと言って、また売られてしまった

でも、ママ幸福なら私も幸福

だって、私にはママに作ってもらった帽子マフラーがあるから…‥

それだけで幸福なの…‥

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