- 名前
- シュリ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 61歳
- 住所
- 福岡
- 自己紹介
- 特になし
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碧い瞳のアンティークドール
2009年02月21日 08:37
だけど、次の日もまた
次の日も…‥
女の子は私をじっと見つめていたの
その澄んだ瞳は遠い昔にも見た事がある
だけど、まさか…‥そんな事があるはずはない
それから毎日
女の子はママが来るまで私を見つめていたの
でも…‥
私はもう普通の人達には買えない程の値段がつけられてしまっていた
ごめんなさい…‥
だから、私も女の子を見つめながら笑うことにしたの
だって、私にはそれくらいしか出来ないから…‥
でも、気になっていた事が、一つだけあったわ
その女の子は決して笑わないの…‥
そして、ある日…‥
女の子は杖をついたおばあさんと一緒にやって来た
女の子はおばあさんに何かを話していたわ
すると、おばあさんがボロボロの紙を取り出して、私を見つめたの
「ああ…見つけた…やっと見つけた…」
そう言いながら涙を流していたわ
それから直ぐにママがやって来た
「おばあ様…まさかこの人形を買うつもりじゃ…‥」
「約束なんだよ…遠くて古い約束…‥」
「約束?」
「これだよ」
そう言って紙をママに見せた
「これは…‥」
「そっくりだろ?ドレスの飾りも同じ…間違いない…この人形が探し続けていた人形なんだ」
「だからと言って…こんな高い人形を買うお金は…‥」
「私の全財産を使うよ」
「おばあ様」
「だって、書いてあるだろ?(まだ見ぬ私の身内の方へ…)この文字は、死ぬ間際に書いたと伝えられているんだよ」
ーまだ見ぬ身内へー
人間の寿命とは儚いと知りました…‥
私の命ももうすぐ消えようとしています。
心残りは…この友達との約束を果たせなかった事
必ずまた…と約束をして手放した私の友達
あれから大人になり必死に探し続けたけれど、どうしても探し出せなかった…‥
まだ見ぬ身内の方へ…
もし、この先の未来で、この人形に出会ったら、お願いします…私に会わせて下さい…お願いします
「私の番で巡り会えた…約束を果たさなければ、天国には行けないかも知れないだろ?」
そう言っておばあさんは笑いながら私を見つめていたの…
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