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- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
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写真史; Albert Kahn
2008年02月22日 12:54
アムステルダムのジャズコンサートからもどり電車の中でも若い娘達に車内の記念写真を撮ってくれと頼まれついでに自分のカメラで彼女達をも撮ったのだが、それも日常の絵日記の一つとしているのだが深夜にその宵に見逃したニュースでアメリカ共和党の大統領候補マケイン氏にニューヨークタイムスが6年前にロビーストの恋愛関係にあったか、というようなきな臭い下半身攻撃かというようなことを言われているのの見た後、夜食をとりながらBBCテレビで写真史に関する面白い番組をやっていたのでみとれた。
フランス語ならアルベール・カーンとでも発音するのだろうか、Albert Kahn(1860-1940)という人が撮った世界初、72000枚規模のカラー写真を巡ってその人となり、作品についてのものだった。
1970年代の初めに大学で写真部に在籍していて当時出始めた日本写真史などを教科書にして上野彦馬などの足跡を興味深くその写真群に見入ったのを覚えているのだが、ここでヨーロッパ、特にフランスで花咲いた新しい技術の写真を巡って、特にカラー写真を駆使して自分も撮り人にも撮らせた人物に興味をもった。
アルベール・カーン美術館 HP
http://www.museesdefrance.org/museum/serialize/mont-back/0708/montalembert.html
ウィキぺディア(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Albert_Kahn_%28banker%29
1860年ドイツとフランスが領土争いが激しかったアルザス地方で生まれたユダヤ人の男が30の半ばにはフランス1,2の裕福な銀行家となりまた南アフリカのダイヤモンド業でも成功し自分に手に入れられないものは殆ど無いというところで若き裕福な実業家の道楽は当時技術の最先端で見た、世界をその視覚で固定するという写真術だったのだ。 長者になったカーンは当時あった白黒写真を撮ると共に1861年にマックスウェルが編み出したオートクロームと名付けられた、3原色を組み合わせたカラー写真に惹かれて森羅万象を撮るようになる。
とりわけ写真史でこれほどの人はいなかった、というのは巨万の財を築き政財界の頂点にいる人自体の道楽だからでもある。 時代の最先端を闊歩したひとであり1880年代から自分の銀行がらみで新興国日本への投資を行い着実に日本の政財界、特に大隈重信とは長い親交をかわし1908年に世界旅行にでたカーンが日本訪問の折、大隈などと歓談する様子が示され、またムービーでも当時の市電、人力車、市井の日本人の活動する様子が興味深く写されている。
1908年の世界旅行では最高級の客船で何の不自由もなく白黒写真、白黒ムービー、カラー写真のドキュメンタリーを撮り続け、とりわけ市井の人々の様々な活動に興味を示し撮り続け、それが現代となっては貴重な映像資料となるのだ。こんなことは日本に限らず、この旅行でニューヨークの市街、ロスアンゼルス、中国、ブラジル、ブエノスアイレスなどが不思議なくらいその生活が立ち上がってくるような写真を撮っている。このカラー写真の殆どが当時のちゃちな石版の色摺りではなくはっと目を瞠るような色彩の世界を我々の前に見せどこに行っても人物や風景を撮る様は写真史上だけではなく世界史を生きる活動的な40代後半の人間を見ているようで興味深い。
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