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小さな音楽会で

2008年02月05日 13:21

小さな音楽会で

私が住んでいるところではたまに公共の建物に30人ほどを集めてプロやセミプロ音楽家にその発表の機会を与えるためのコンサートを企画し、その案内が時々メールに入ることがある。 

今日は大学生でありコンセルバトワールにも在籍していてもうすぐプロになろうかという音楽家の卵たちが3人、この町の大学の古い図書館ホールで1時間弱のお披露目をするというので家人と夕食前に出かけた。

家人のメールにもこの案内が入っており、たまたまそのプログラムに両方の興味が行ったからでもある。 このコンサートの会にはジャズは数年に1回あるかないか、というところなのだが殆どがクラシックの小さな室内楽で私の気を曳くものは少ない。 けれど、今日のプログラムサンサーンスドビュッシーバッハが並んでいるので悪くないと思いでかける気になったのだ。 それは家人にも異存が無かった。

Romance C. Saint-Saens
Piece pourflute Jaques Ibert
Syrinkx C. Debussy
Sonate in bmineur J.S.Bach
Passacaile forfluit and Piano op 35 Rhene Baton (1879-1940)

17世紀のタイルの床に高い天井のホールの内部は音が硬めに反響するものと危ぶんでいたもののフルートの響きはちょうどよく、ピアノに至っては微かな中高音がすばらしいものだった。

ドビュッシーのものはよくあちこちで聞かれるものだがサンサーンスのこの曲は初めてだった。 クラシックに詳しくないものにはこれはこの時代の作曲とは分かるもののサンサーンスがこれなのかというようなことは分からなかった。 それにこの選曲の中に時代もかなり遡るバッハが入っているのが妙だと思ったが19世紀ばかりの曲の中でちょっと口直しという意味もあるのかもしれない。

今日の収穫はジャックイベールの作だった。 名前も背景も承知しないが19世紀の調子ははっきりしていてこの日のコンサート脈絡にはいるものだが演奏のあちこちで曲の相を変化させ別のディメンションに持っていこうとする試みが分かり、それはジャズのモード変換、空間を移動させようとする方法と相似のように聞こえた。 この時期の音楽家達はそれまでの概念から新しいもの、既成の場所からの転移を試みていたのだ。 印象派画家達がいろいろと試みていたのと同様だ。 20世紀初頭のロシアクラシック音楽が60年代以降モダンジャズに与えた影響というのは分かるし30年代のジャズが例えばピートモンドリアンなどの画家にも影響を与え、ストラビンスキーなどの音楽でもそのリズムにその跡がみられる、といわれているのは承知しているがストラビンスキーの中のリズムにはジャズシンコペーションがはっきりとは出ているようには思われない。 

リズムは別として今日のジャックイベールの小品のなかでの転調、モード変換には感心した。 多分、この時代のジャズにはまだこのモードや調子の変換、移動はなかったし、それはこれから半世紀ほど待たねばならなかったことになる。 しかし、このジャックイベールというのは19世紀の人間だろうか、ひょっとして現代の作曲家だったりして。 そうなるとこれは明らかにジャズのやりかたから来ていることになる。

ぐーぐってみる価値はある。

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