隣の家の小生意気な小僧

馴れ馴れしい　ちょっと顔が可愛いから　仕方がない　よく声を掛けてくる
生意気にデートしたいらしい

「じゃあ・・・大人っぽいところに行きたい♡」
私の言葉に彼の表情がぱっと明るくなった

「オレさ　プラネタリウムのチケット持ってるんだ！」
「え？♡」

「父さんが仕事の関係でもらったんだけど『お前もそろそろ大人になれ』って言ってくれてさ」
照れくさそうに頭をかきながらチケットを見せてくれた

「星を見るの？ 私たちで？♡」
なんだか可笑しくて思わず吹き出してしまった

「悪いかよ！？ なんかロマンチックだろ！」
真っ赤な顔で言い返す彼を見て　ますます笑いが止まらない

「ううん　嬉しい　行くわ♡」
正直　星なんて全く興味なかったけど

彼が考えてくれた「大人デート」が妙に愛おしく感じられた
その日から何日か経った金曜日

私たちは学校帰りにそのまま待ち合わせ場所に向かった
駅前の広場で待っていると　少し遅れて彼が現れた

「ごめん！ 待った？」
息を切らせながら走ってきた彼の格好を見て驚いた

普段着ないようなジャケット姿で　髪型まで少しだけセットしてある
「どうしたの？ それ♡」

「だって・・・デートだからさ　一応」
恥ずかしそうで可愛い・・・

あなたに素敵な時間が訪れますように