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ひとめぼれの彼

2025年09月01日 01:13

ひとめぼれの彼

イケメンで何人かの若い彼女も見かける 挨拶に続きやっと話しかけることができた
今日仕事の後 飲みに行く約束ゲット・・・

それから数日後の夜 彼女が珍しく早く帰ってきた 疲れた顔をしているのに
彼を見ると満面の笑みを浮かべる 「ただいま♡」と言いながらバッグを置く姿に胸がキュンとする

「おかえり。お風呂沸いてるよ」「ありがとう!すぐ入ってくるね♡」
浴室に向かう彼女の背中を見送りながら 彼は料理の手を止めた

今夜は彼女の好きなハンバーグ デミグラスソースを丁寧に仕上げているとき
ふと気づいた カウンター越しに彼女が立っている

「美味しそう!♡」タオルで髪を拭きながら微笑む彼女料理が得意って本当にすごいよね♡」
「そんなことないよ・・・」

それから一週間後の金曜日 彼が急に友達と食事会に行くと言って出かけた 
普段なら絶対行かないのに・・・ 空っぽになったアパート静寂が彼の心を重くする

スマホを確認すると新しいメッセージが一件
「今日飲みに来れますか?♡」

彼からだった 胸が高鳴る 最近ずっと一緒だった彼が突然出かけ 外から飲みに誘ってきた
返信する前に洗面所メイクを直す 鏡の中の自分を見つめる目に不安が映る

集合場所の居酒屋に向かう途中 雨が降り出した 傘を広げながら歩いていると
背後から声がかかる「濡れるよ」振り返るとそこには既に店の前で待つ彼の姿があった

「待たせてごめんなさい♡」「いいよ 今日は親友を紹介するね」
彼は自然な動作で私の肩の雨粒を払ってくれた

居酒屋の暖かな照明が二人を迎え入れる 奥の個室にはもう一人の男性が座っていた
「遅かったじゃん」スーツ姿の青年が軽く手を挙げる 第一印象は爽やかで理知的な感じ

「こちらが親友佐々木だよ」彼が紹介してくれた 佐々木と名乗る男の鋭い視線が彼女を貫く
「初めまして。あなたが噂の?」ニヤリと笑いながら差し出す手を握る瞬間 なぜか全身に電気が走った

三人での乾杯 彼はいつものように優しい表情で彼女のグラスに注ぐ 
一方で佐々木は興味津々といった眼差しで二人を観察している

酔いが回り始めた頃 彼女がふと気づく テーブルの下で佐々木の足が微妙に触れ合っている
「あっ・・・♡」思わず声が出てしまうと彼が不思議そうに覗き込んでくる

「どうしたの?」「な なんでもない♡」
「もういいから・・・」彼女の頬が熱くなる 親友を連れてきたのは

彼女のことを信用してほしいという意味だったらしい 佐々木が申し訳なさそうに頭を下げる
「本当に悪かった 彼があんまり熱心に君の話をするもんだから」

彼女の膝小僧に触れた指先が離れていく チクリとした痛みのあとに残る奇妙な温もり 
彼は困ったように眉をひそめながらも どこか嬉しそうに見える

「俺は君が大好きだから安心して」そう言って彼女の耳元で囁く声に背筋が震えた
「でも・・・そんな風に話してたなんて♡」
言葉とは裏腹に胸の奥で何かが溶けていく感覚がある・・・

あなたに素敵な時間が訪れますように

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