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少し成程話:勝海舟のものさし
2012年09月26日 23:24
童門冬二氏の心に響く言葉より
勝海舟はその人物が凡人であるか非凡であるかを見分けるのに次のようなものさしで見ていた。
[職責を超える仕事ができるかできないか。又、求められたらそういう職責を超える仕事をやる勇気があるのかないか]
というのは、勝の経験では彼の職責と職務内容が一致するということは極めて稀だったからである。
彼は幕府からある職位を与えられても、大抵の場合他の仕事をしていた。
その職位に見合った仕事よりも遥かに重大な任務に就いていた。
例えば28歳頃、彼は私塾を開いてオランダ学を講義していた。
しかもこの頃の彼は大砲や鉄砲の製作までやっていた。
身分は幕府の無役である。
又、長崎の海軍伝習所にいた時、学生監督程度の身分で薩摩藩主島津斉彬と会っている。
斉彬は勝を友人待遇にし、自分でもしばしば手紙を書いた。
いわば幕府の外交官の様な立場で、斉彬と堂々と対していたということだ。
又、神戸に海軍操練所を作り幕府や各藩の子弟を預かって教育した時、別に私塾を設け、ここに坂本龍馬以下資格のない若者を全部放り込んで教育した。
こういう奔放なやり方も明らかに職責を超えている。
姑息な幕臣だったら後生大事に幕府が作った海軍大学の経営と教育に邁進し、私塾を作ってまで資格のない者を教育するということはしなかったろう。
『勝海舟の人生訓』PHP文庫
役所や銀行や学校等の堅いと言われる職業を見ていて分かるのは、その中で出世する人は自分の職分を超える人との付き合いや異業種の会合や勉強会への参加を怖れないこと。その組織内での古くからのしきたりや上下の力関係を飛び越える実力なりパワーを持っているから、枠をはみ出すことができる。リスクをとってチャレンジできない人は埋もれてしまう。失敗を恐れ、余計なことは一切やらないという守りに入った人間は変化の激しい現代では生き残るのは難しい。柔らかな心を持ちチャレンジを怖れず、職責を超える仕事ができる人になっていきたいな。
このデジログへのコメント
-Q-さん:そうだね。頭もいい人だったんだろうな
最近の若者は、指示待ち族ばかり。亡き社長と、よくやり合いをしましたが、その社長は可愛がってくれました
管理貞操帯さん:亡き社長?いろんな方との付き合いがありますね
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