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能見!あんたは、頑張った!

2009年05月16日 08:24

能見!あんたは、頑張った!

阪神能見、12Kも援護なし…不運4敗目
2009年5月16日(土) 7時52分 サンケイスポーツ

 (セ・リーグヤクルト2-1阪神、5回戦、ヤクルト4勝1敗、15日、神宮)耐えろ、耐えろ、と呪文のように唱え続けた。しかし、アニキの前で打球が弾んだ瞬間、心のダムが決壊した。両ひざに手をやり、ガックリとうなだれた。自己最多の12三振を奪いながらも、野球神様はソッポを向いた。力投むなしく4敗目を喫した能見は終始下を向きながら、唇をかんだ。

 「見ての通りです。奪三振数? そんなことも言ってられませんよ。負けたら一緒です。悔いが残るというか、勝たなきゃいけなかったんです」

 帰りのバスへ急ぐ際、フェンスにへばりついていた虎党が、「大したもんや!!」と叫ぶ。四回二死一、二塁から田中、米野…と六回二死まで6者連続三振を奪うなど、チームでは井川(現ヤンキース3A)以来となる3年ぶりの1試合12奪三振。今季、積み上げたKの数は『53』で依然リーグトップ。上手、横手と投げ分けて、次々と打棒に空を切らせた。ねぎらいの声は耳には入るが、体のシンまで響かなかい。痛恨の1球ばかりが、脳裏に焼き付いていた。

 「ゼロに抑えるために、何が自分にできるのかを考えないといけない」

 同点の七回一死一、三塁。福地は三振に仕留め、二死としたが、続く川島慶へのスライダーが高めに浮いた。左前打されて勝ち越しの2点目を許した。六回まで0-0を演じた9日の前回登板(横浜戦、7回3失点で負け投手)もそうだった。孤軍奮闘も勝負どころで踏ん張りきれない悔しさ。7回7安打2失点。やるせなさだけがあった。

 「頑張っていた。試合を作れていた。今、勝てずに痛みを伴っているけど、いい方向に行くと思う」。久保投手コーチは踏み台にすることを祈った。能見自身、神宮では通算0勝3敗。赤土のマウンドが恨めしかった。
[5月16日 7時52分 更新 ] サンケイスポーツ

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