サイクリング、新たな楽しみ…

水門、その湖の水位を調節する施設を渡る。いよいよ自転車道路。湖を囲む土手を走る。湖は、干拓によりかなり小さくなったらしいが、それでもなお広大。対岸は遥かにかすむ。湖面を渡る風。かすかな陽光の揺らめき。大型の水鳥が翼を反す。トップギアに入れる。思いっきり風を切り裂く。広々とした田園風景。白鳥の飛来地があったり。ラジコン機の贅沢な飛行場。薄い煙を残して飛び立っていく。おもちゃには見えない飛行機。ブーンッ。微かなエンジンのうなりが、少し暑いような春の日差しにけだるくにじんで。
湖は、干拓により大きく東西に隔てられ、数キロにわたる水路が結ぶ。初めてのサイクリングは、東の湖を端から端、その水路の入り口まで。往復１３キロ程。なんだかジョギングとは違うスピード感。世界が広がった感じ。始めるとこれもほぼ毎日。雨の日などは、レインウェアでのジョギングだけで我慢するんだけどね。
しばらくは、同じコース。でも、やっぱり少しでも先へ。気持ちが先へと。水路沿いを走る。両側から山が迫る。数１０メートル上空を真っ赤なアーチ橋。全速力でくぐり抜ける。やがて、西の湖の端へ。休憩所を兼ねた公園。今度はそこで折り返す…