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安らかに、そして冷たく…

2008年09月04日 00:10

安らかに、そして冷たく…

長男は、ズバ抜けた運動能力と恐ろしく傷つきやすい感受性を持った少年だった。中三の夏、彼はドロップアウトした。もともとヤンチャな子供ではあったけど。暴力非行。荒れ狂う。抑え難く。その彼の奥底の傷つき放棄されたかのような優しさは、シロとの触れ合いのなかで辛うじて生き延びた。それが、彼を踏み止まらせ。自分自身を乗り越えさせたのかもしれない。今もあてどもないがごとく遠回りする彼を、彼の優しさを支える…
夜が明け、朝になって。襲いくる痙攣と闘うシロ。長男は涙を流しながら、抱き締めたシロをさすり続ける。小康し、夢うつつのシロ。また、公園の芝生を…いや天空を走り回っているのか… 長い苦しみとの闘いがあり。シロはその日の昼前に静かに息を引き取った。それは激しい痙攣の後。しかし、夢うつつとなり、安らかに。戻らない深い眠り…
長男は、冷たくなっていくシロのカラダを抱き締めたまま。止まらない鳴咽。果てしない哀しみが家族を包む。夕方には二男も仕事から帰って来た。シロは彼がもらってきた犬。シロの遺骸に頬擦りするように。兄弟のようだったシロと二男。彼にとっては、家族で唯一威張れる弟がシロ。シロに噛みつかれて…

このデジログへのコメント

  • まーこ 2008年09月04日 08:01

    悲しいです・・嫌です。。
    苦しんで亡くなったんですね・・うぅ・・

  • たけ 2008年09月05日 01:23

    > まーこさん

    本当にまさかシロがあんな風にって… 正直、何気ない日常にもとんでもない不幸、破滅とかが潜んでいるかも…

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