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また、勝った!!

2008年07月20日 08:31

阪神高橋光、落合はんにキツ~イ一発
サンケイスポーツ - 2008/7/20 8:01

 (セ・リーグ中日2-7阪神、13回戦、阪神10勝2敗1分、19日、ナゴヤドーム)高く上がった打球を見上げて行方を確信した。口を真一文字に結びながらベースを1周した。高橋光が1号2ランで勝負を決定づけた。

 「1点差に追い上げられていたので、何とか後ろにつなぐことだけを考えていた。スタメンで使ってもらって貢献したいと思っていた」。仲間のハイタッチに迎えられると笑顔が弾けた。かつてのホームでヒーローインタビューに答えた。

 3-2に詰め寄られた直後の六回二死一塁。その初球だった。先発・小笠原138キロ真ん中低めの直球を振り切った。今季23試合&31打席目で初めて、外野席に向かって放物線が描かれた。

 98年から06年まで在籍した球場全体の古巣ファンからはため息…。虎ファンの待つ左中間スタンドは歓喜が爆発した。岡田監督は「ミツのが大きかったなあ」と脱帽するばかり。腰痛五輪新井が抜ける一塁ポジション偵察メンバー投手・岩田を入れたあとの“先発出場”で貴重な一打だった。

 「谷繁さんとか、すごく仲良くしてもらっているんですけど、中日の選手とはシーズン中は、あまり話さないようにしているんです。戦う相手ですから」

 一昨年オフ中日から戦力外通告トライアウト入団テストを受けて阪神入りした。新天地球団には「拾ってもらった」と感謝した。移籍後のナゴヤドームでの初本塁打。「(相手)チームは意識していない」と平常心を装った。

 フリー打撃ではときどき変化球と直球を交互に打つ。「打撃投手の人もストレートばっかり投げるのはしんどいと思うから。変化球なら(負担が少なく)力を抜いて投げられるでしょ」。もちろん実戦的な対応の意味もあるが、そうやって裏方さんにも気をつかうのがミツという男だ。だから野球神様もほほえんでくれる。

 「大事な一戦一戦がまだあるし、本当にみんなで勝ちたいです。ボクはホームランとかじゃなくて与えられた仕事をやるだけです」

 高橋光は人懐っこい笑顔で帰りのバスに向かった。謙虚で実直な男らしいが、秘めた闘志は決して手加減しない。(山田結軌)

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