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新井抜きでも!

2008年07月17日 08:25

新井抜きでも!

祇園祭宵山の夜。甲子園は盛り上がりました。

新井抜きでも球児で勝つ!虎一丸完封リレー
2008年7月17日(木) 8時2分 サンケイスポーツ

Photo
上園(右)と並んで今季初のお立ち台に立った藤川。チームの危機を救った
 (セ・リーグ阪神2-0ヤクルト、13回戦、阪神7勝6敗、16日、甲子園球児、執念の勝利-。阪神藤川球児投手(27)がヤクルト戦で今季初めて八回途中から登板。満塁のピンチを脱して、完封リレーを締めくくった。新井貴浩内野手(31)の腰痛欠場という緊急事態に魅せた一丸勝利でCSマジック「50」も再点灯。あしたこそ優勝マジック「48」点灯や!!

 緊急発進だ!! 絶体絶命でも関係なかった。チームのすべてを託されたマウンド。最高の投球で応えた。球児はやはり守護神だった。

 「無理だなと思いましたけどね。2アウトなんで何とかいけるかな~と。1アウトでマウンド立ってたら、たぶん打たれてましたね」

 今季初のお立ち台。大仕事を成し遂げた男は冗談っぽく笑った。そのギャップが何とも球児らしい。投げる姿は、ただただ圧巻だった。

 八回二死満塁。リードはわずか1点。正念場だった。「やるしかない状況。最初に押していかないと負ける。キレとかじゃなくて、打たせない気持ちで投げる。それで打者に打ちづらくさせる」。開き直った。

 対する打者は畠山。直球を2球続けて一気に追い込み、勝負球はカウント2-1からの4球目。外角フォークを落として空振り三振に。今季初めて八回からの登板で、イニングをまたいだ九回も3人斬り。価値ある29セーブ目に聖地の大歓声を一身に浴びた。

 チームの“柱”が欠けた緊急事態を、見事にはねのけた。不動の3番として快進撃を支えた新井が今季初めて欠場した。「みんなで助け合うのがチーム」。この信念を発揮した。連戦の疲れで自身の体も決して万全とは言えない。それでも腕を振り抜き、勝利をもたらした。

 「久しぶりに野球をしたって気分。打席に立って、イニングまたいで投げて、成果が出ると楽しい。怖いけどね」

 八回の攻撃では、06年9月17日の中日戦(ナゴヤD)以来となる打席へ。あえなく空振り三振に倒れたが、執念のフルスイングだ。「子どもにいい所見せたかったな。いい父親を目指して頑張ったけど、ダメやった!」。家に帰れば1男2女のパパ小学生になった長男と野球をすることが楽しみのひとつ。そんな小さな癒やしが、気持ちを奮い立たせる力の源になっている。

 「もうみなさん分かっていると思いますけど、日本一に向かって精一杯頑張って、それを結果として出したいです!」

 お立ち台で最後に叫んだ。球児が締めた一丸勝利でクライマックスシリーズ(CS)進出マジックも三たび点灯。最短18日の優勝マジック点灯へも一直線だ。何が起こっても、動じない虎のこの強さ。日本一へ、ひたすら突き進む。

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