みどり-138

「海は山と違って荷物が少なくて楽ね」
「そうだな。　男はスイムパンツとＴシャツだけで済む」
「雅恵と話ししてて、カクテルドレスを三着持って行く事にしたから、
　貴方はどうする?」
「二つで良い、シャツとネクタイは三つにする」

あたしの３つのドレスを見て、
大きなクローゼットから１着のスーツとジャケットと
パンツそれにシャツとタイを取り出します
この人、前から思っていたけど服装のセンスがいい

「貴方ってセンスいいのね、見かけと違って」
「見掛け、そんなに悪い?　そんなに不細工? 私の顔」
「ふふっ、いいえ、まあまあの男前だけど
　服装何て気にしない男に見えるだけ
　だって何処から見ても身体を使う男
　デスクワーク、頭を使う仕事をする様には見えない」
「まるっきりの馬鹿に見える」
「違うんだなー、馬鹿とは
　身体を使う仕事をする男、何も馬鹿じゃ無いじゃない」
「がさつ、と言う事?」
「それも違う。　逞しい、いえ、荒々しくて野性的なの貴方は」
「格好いいのか、それじゃ」
「あたしが惚れるのよ、良いに決まっているじゃない
　野性的なのに、何時も微笑んでいるその優しい顔
　そのアンバランスにやられたの、あたし」
「ふーん、変なの」
「それそれ、その変な所がいいの、貴方は」

　　　　　　　・・・つづく