みどり-121

「二人上手く行くよ」
京介があたしに囁いてる
顔がニコニコしてる

「でも１０人は会わせたのよ、透さんに」
「えん」
円?　宴?　遠?・・・縁、縁
アクセントが違うのよ関西人は
そうか縁か
馬鹿らしい
何人紹介したと思ってるの
美人だとコロッじゃない
この透の助平の好き者

「何を怒っているの?　前の二人楽しそうに話しているよ
　これが望みでは無かったの?」
「怒ってなんかいません、何人も紹介して馬鹿みたいって
　美人の雅恵だからあんなに
　助平な顔して、鼻の下伸び切っているわ」

ほら笑ってと言って、頬引っ張るの、京介
あたしの前で携帯何て出さないでよ
厚かましいわね、二人とも
でも、段々嬉しくなって来た
良く見ると本当に似合いのカップル
美男美女の言葉そのまま

「明日デートして、そのままホテルだな」
彼を睨むと、ニコニコしてる
あたしも丁度そう考えていた所で
また読まれてる
違う、今分かったわ
あたしが考えている事を彼も考えているんだ
読まれているのでは無く、
思ったことをそのまま言っているだけ
あたしと考える事が一緒なだけ
思考回路が似ているだけ
なーんだこの野郎

　　　　　　　・・・つづく