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ペテン師の夏・破

2008年03月24日 21:12

そして初日
一緒に行った子たちの名前なんか覚えてません
適当に名前つけます 深い意味はないので気になさらず

田村の今日のメインは そら
そして わたしの相手は あい これは田村の手付け
松山の相手はみなみ これは手付かず
田村狙いな子なので田村に協力してもらった

話は2日前になる

田村は みなみを呼び出した

「実は頼みがあるんだけど」

「なに?」

「埋め合わせはするからさ松山とはしないでね」

「なにそれ どういう意味?」

「僕としたい?」

「普通そんなこと聞く?」

「普通は聞かない 君だから聞く」

「どういう意味?」

「まあ 特別だから」

「特別って?」

「まだ 言えないかな」

打ち合わせ通りに田村は話をすすめている

わたしは ドアの外でそれを盗み聞きしている

「つまりは 他の子といちゃいちゃするけど 

あたしにはしないでってこと」

「まあ そういうことになるかな」

「なにそれ 馬鹿にしてる?」

話が難航したようだ 出番だなと思った

みなみは かなりムッとしてる 当然ではある

ドアがガチャっとひらく

「話は聞かせてもらった」

振り返ったみなみは少し驚いたようだった

「や やがみくん?」

「海の話で打ち合わせにきたんだが 

すまないが聞かせてもらった」

「えっ 聞いてたの?」

「ああ 君が怒るのも無理はない」

「でしょ 馬鹿にしてるわよね」

よし 彼女は わたしを味方と判断した

田村 お前 それはないと思うぞ」

「そうよね ひどいよね」

「いくら本当はこの子と行きたかったからっていってもだ」

「えっ?」

「ものごとには けじめってもんがあるだろ」

「なになに?」

よし 釣れた 

「お前は彼女がいてくれりゃ満足なんだろうが

目の前で他の女といちゃつく姿見せられる彼女の気持ち考えろよ」

「えっ えっ?」

「さすがに ちょっとわたしも怒りたくなるよ」

「ちょ ちょっと やがみくん」

「なに?」

「本当はあたしと行きたかたって えっ なに?」

「あ すまん 田村 口が滑った」

「いいかげんにしてよ」

田村は困った顔をした (実は困ったふり)

すぐさま わたしは 彼女をみていう

「面倒だ もう ばらす あのね」

「うん」

「今回 海に行くって何でそうなった?」

「えっと 田村君に誘われて」

「みんなで行こうって言った?」

「えっ いや ただ行かない?って」

「本当は君だけと行きたかったんだよ」

「えっ うそ?」

「でも まあ自業自得なんだけど こいつ手癖悪いから」

「やがみくん 君に言われるのは心外だよ」

「事実だ 認めろ」

「ほんとうに不本意だ」

そのやりとり彼女が噴出す

田村と目をあわせるわたし よし 次だ

「次から次へと あたしも海にって殺到しちゃったんだよ」

「まさか こんなんなるとはね」

「そこで君だけと海にいく どうなる?」

「えっと....」

「君は 今回海に行きたがってた女の子の数だけ敵を作る」

「えー そんなぁ」

「まあ 本命候補の宿命と言えばそうなんだけど」

「えっ 本命?」

よし 食いついた 本命って言葉に弱いもんだ

ただ どうして恋する女の子って自分都合なんだろう

本命候補なのに 本命の部分だけに反応する

「わかってくれないかな この本命をあえて脇に置くって葛藤

「ええ でも 」

「君のせいでもあるんだよ」

「えー なんでよ?」

「昔の哲学者が言ってた

『魅力ある女は罪である 恋愛における男の葛藤は全て女の魅力から生じる』って」

「えー 聞いたことないけど そうなんだ」

聞いたことあるわけない 今わたしが作った

「もっとわかりやすく言えば君は田村が好きで 
田村も君が好き 今度遊びいこうって話してたとき
サークルの先輩で逆らえない人が来て あたしも行くわと」

「うん」

「で その先輩は田村狙い 君は泣く泣く一歩引く」

「うん」

「でも心配だから wデートってことで 誰か誘って出かける」

「うん」

「でも 田村がその先輩としちゃった どう?」

「ショック 泣きたいくらいショック」

「じゃあ 最初から断ればいい でも出来る?」

「できないかも」

「わかってくれると助かるんだけど」

「うん わかった つまりは ここで我慢すれば 後でしてくれるってことね」

そこでなんで キラキラ目を輝かすと思いながら

「そうそう」と同意する

「そっかぁ してもらえるんだ」

して欲しいだけなのか? そう思ったが口にはしなかった

これで 説得完了の はずだったが 

彼女の言葉に 自体は振り出しに戻った

「でも... 松山くんもいいかな...」

「えっと おっしゃってる意味が....」

「あ 田村君素敵なんだけど 松山くんもいいかなって」

「はい?」

「あ やがみ君もいいかなって思う」

「きみ.....」

もしかして この女 うちら3人なら誰でもいいのか?

「えっ だめなの? だって みんなかっこいいんだもん」

「うれしい言葉だけど それ無理よ」

「なんで?」

「うちら3人 仲良し3人組してるけど まだ知り合って数ヶ月」

「うん」

「こんなうちらが上手くやってるのって暗黙の不可侵協定あるからで」

「どゆこと?」

「人の女 もしくは目当ての子には協力はしても邪魔はしない」

「そうなんだ」

「そういうこと だから今回 松山もわたしも えっちはしない」

「えー やがみくんたち それで我慢出来るの?」

どういう目で見られてるのだろうと思った

「そんな 獣じゃあるまいし」

「ええええ やがみ君たちって 獣って噂だよ」

「まじか?」

わたしは このとき 自分の宿命を呪った

高校時代 1年の頃 

1年生男子 ナンパの双璧 やがみと秋山

そう言われたことがあった

その時点では わたしはナンパなどしたことはない

とんでもない勘違いされ

噂が10倍くらいに尾ひれをつけて歩き出す

ここでもそうだったのかと痛感した

かくして みなみと言う子の説得は終わった

わたしや松山もするという

とんでもない条件がついたが翌年 彼女との

いや 彼女たちとの約束は果たしたしよしとしよう

そして 当日 わたしは死地に赴く心境で挑んだ

わたしが いかに経験者のふりして誤魔化しきるかだ

そういう雰囲気にならないように仕向ければいいんでは?

そう思う人も多々いると思う

はい 出来ると思いますが それじゃツマラナイ

見透かされるか 騙しきれるか 

そういうギリギリのところじゃなきゃ面白くない 

リスクあっての快感 それがペテン師の悦

考えたら この時点でまっとうな人生 捨ててるな


そして 海に到着

松山は おおはしゃぎで海へ

田村の横には 今日のメイン そらがべったりついている

じっと それを見ている あい、みなみ

わたしは みなみの頭に手をおく

「まあ ここはひとつ ねっ」

「うん」

顔を赤らめてみなみは 松山の後を追う

さて 松山の方は大丈夫だろう

あいの方を見る

予想通り不機嫌な顔で田村たちを見てる

彼女の肩に手をおく

「すまないね」

「えっ?」

「せっかくの海なのに わたしなんかが相手ですまない」

「あ そんな ごめん あたしそういう顔してた」

「うん 不満そうな顔してた」

「はっきり言うわね」

「事実だし まあ 気持ちはわかるよ」

「え そんな 」

「まあ 事情があるとはいえ あれじゃ 不満も出る」

かなり いちゃいちゃしている 田村とそら

田村からというより そらからじゃれついてるのが事実で

そうなると フォローは簡単だった

「必死だね 彼女も」

「えっ?」

「相手が君じゃ必死にもなるか」

「どういうこと?」

話術レベル5って 誰かが言ってた

「女の態度ってやつだけど」

「うん」

「わたしの経験上の話だけどね」

経験上? 童貞な自分 なんの経験だ よく言う

「格下と同格 スタンス そういったので相手の心理がわかる」

「どういうこと?」

「君は あの子 そらちゃんに敵意むき出し」

「......」

「そして彼女もそう」

「そうなの?」

「気分害したら謝るけど」

「うん」

「可愛さじゃ そらちゃんの勝ちだね」

「..........」

「でも 綺麗さじゃ君が圧勝だと思う」

圧勝 まずは この言葉が ジャブ

「少なくとも彼女はそれに気づいてるよ」

「そうなの?」

「だから 君に見せ付けて優位さをアピールしてる」

「やっぱりそうなんだ」

「君が格下だったら 余裕で勝ち誇った顔で見下すもんだよ」

「そうなんだ」

よし 聞く耳は持ってるようだな

「例えば 君 ああいう真似出来る?」

「あの子みたくいちゃつくって事?」

「そう あの子と同レベルで人目も気にせず はしたないまでにイチャイチャと」

この場合 ツボは 同レベル と はしたない

「したくはないわね」

「君だったら もっと大人っぽく しっとりと寄り添うとか」

「うん それ いいね」

「幼い彼女にはそれは出来ない だからああいう方法で君を挑発する」

あさましい女ね」

「そこでまっこうから対峙したら君も同じレベルだ」

「でも なんか気分悪い」

彼女の髪を撫でる

「そこで 大人の女らしく余裕で構えるんだって」

「でも さあ」

ゆとりってのは大人の女だからもてるもんだよ」

「うん」

彼女の髪を撫でる

「いい女だね 田村にはもったいない

「えっ」

田村に大事な子だからって任されなきゃ口説いてるよ」

「やがみくん?」

田村にはこの話 内緒ね」

「うん」

「君なら わかってくれそうだなって思うから話した」

「それって 」

彼女田村の方を見る

田村の答えって言えない?」

「うん」

「じゃ この話はここまで せっかくの海だ 楽しまなきゃね」

「そうね」

よっしゃ これで今日は なんとかしのげる

海の家での昼食 

そらは 相変わらず田村にべったり

あいの表情に嫉妬が見える

わたしは テーブルに下からあいの手を握る

あいは わたしをみる

わたしは 無言でめくばせする

納得したようにあいの顔から嫉妬が消える

不意にあいがわたしのとなりに身をよせ肩に頭を乗せる

わたしは田村に目線を送る

田村はその視線に気づき 不満そうな表情を作る

「こらこら 田村ヤキモチやくよ 」

小声であいに囁く

あいは視線をこっそりと田村に向ける

彼女の目には不満そうな田村の顔が映ったはず

満足そうな笑みを浮かべてわたしに擦り寄ってくる

よし 成功 グッジョブ 多分 田村とわたしは目線でそう思ったはず

そらからしたら 田村からやがみに乗り換えたと映ったはず

挑発もゆるむだろう

そして あいからしたら あの不満そうな田村の視線

勝ったと内心思ったに違いない

あとは このあと 街にそらと二人で消えていく田村

それを見送るときのあいのフォローだけだった

そう書いてるが このあいという子

確かに綺麗 キスくらいはしときたい そう思った



そして 田村とそらは街へ消えた

「駅まで送るよ」

そう言って あいに寄り添って歩いていた

「わかってるけどさ」彼女は呟く

「うん」

「わかってるけど なんか悔しいよね」

わたしは彼女の肩に手をまわす

「君じゃなきゃ出来なかったよ」

「でも.....」

「逆だったら 誰ひとり楽しめなかった」

「そう言われると 嬉しいけど」

「気づかなかった?」

「えっ」

「最後 そらと寄り添いながら 田村 ずっと君を見てたって」

「えっ ほんと....」

嘘に決まってるだろうと思いながら まあ 嘘も方便

田村にとって印象深い子になったと思うよ」

「そう..かな」

彼女を抱き寄せ髪を撫でながら囁く

「がんばったよ 君は いい子いい子してあげたい」

「うん いい子いい子して....」

よし 落ちた そう思った

彼女の髪を撫でながら

「ごくろうさま 田村の心に残ったと思うよ」

「やがみくん....」

「わたしの心にもね」

「え...」

少し強く抱きしめると同時に

「少しだけこうしていよう」即座に囁く

この流れなら いける そう思った

「うん.....」

よし あとは最後のつめだ

少しづつ力を強くしていく

「や、やがみくん...」

「ん?」

「いいよ...」

よし 完璧に落ちた 惜しくはわたしが童貞なことだ

したくてもするわけにはいかない

なにせ ハードルが高すぎる

「だめ...だよ」

自分ながら その間の空いた返答 

未練も感じさせながらの拒絶

完璧だ 自分ながら完璧な筋書きにて展開

童貞な自分がうらめしい

そういいながら彼女を見つめ

ながさわようこお墨付きキスをする

「約束違えちゃったな」

「ごめん....」

「君のせいじゃないよ」

「でも....」

田村には秘密だよ」

「うん....」

軽くキスをする

「いつか.....いい?」

彼女は意味を理解したようだった

「うん」

そううなづいた

そして彼女を駅まで送った

彼女に キスしたのを口止めしたのはわけがある

田村には キスぐらいいいよと言われていたが

そうなると わたしの武器であるキス田村の耳に入る

彼はそれをきっと取り入れる そしたらわたしの武器はなくなる

教えてなるものか

ついでに ここで秘密を作っておく

彼女とわたしには共用する秘密がある

これは 後々活きてくる

いつか 脱童貞し 噂に実が伴ったとき

田村のお手つきから好みを全てチョイスする

多分 とても落ちやすくなってるはず

その夏 確かにわたしに悪魔が降りた

わたしの策略の夏 一日目は終わった 

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