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公園のブランコで

2024年12月31日 00:30

公園のブランコで

何年ぶりだろう二人きりで話をするなんて まるで夢でも見ているようだ
「なあに 何の話」とあなたは言うけれど 何から話せばいいんだろう?

「あら その時計まだ使ってくれていたのね♡」
あなたは不意に僕の腕をつかんだ 僕が小学6年生の頃にあなたに貰った大切な宝物だ

「え?ああ だってこれ 世界で一つしかないだろ?」と僕は言った
「あら そんなことないわよ ほら♡」と言ってあなたは自分の腕を見せた の時計は僕のと

同じデザインの物だった「え? どうして?」と僕は言った
「だって私も同じものを持っているんだもの♡」とあなたは言った

僕は少し驚いたが すぐに納得できた あなたは昔からそういう人だったから
それから僕たちは色々な話をした お互いの子供の頃の話や 好きな音楽の話など 

本当に色々なことを話した でも 一番印象に残ったのはやっぱりあの時計のことだった
「ねえ その時計ってずっと使ってるの?」と僕は聞いた

「当たり前じゃない だってこれはあなたの為に作ってもらった時計なんだもの♡」
とあなたは言った 僕は思わず照れてしまった

「ねえ その時計ってどんな思い出があるの?」と僕は聞いてみた
「あら そんなの決まってるじゃない あなたへの思いよ♡」とあなたは答えた

「え?それってどういう意味?」と僕は聞いたが
「さあね 自分で考えなさい♡」とあなたは意地悪そうに笑った 

それからしばらくブランコに座っていた もう終わりが近づいている事は分かっていたから 
あなたは まもなく 結婚する相手は会社の上司息子で とても優しい人らしい 

そんなあなたの幸せを心から願うと同時に 少し寂しい気持ちになった でも大丈夫 
きっといつかまた会える日が来るはずだから それまで僕はずっとこの公園で待っているよ 

だから安心して「ねえ♡」とあなたは言った「ん?何?」と僕は答えたが 
あなたは何も言わずに僕の手を握っただけだった その手はとても温かくて優しかった 

そして僕たちはそのまま別れた でも最後に一つだけ言っておきたいことがある 
それはこの時計のことだけど この時計は僕にとって本当に大切なものなんだ 

だからこれからもずっと大事に使い続けるつもりだし それに僕は絶対に忘れないよ 
あなたと過ごした時間を あなたがくれた優しさを あなたが教えてくれた大切さを 

だからありがとう あなたもどうか幸せに と僕は心の中で呟いた そしてあなたは
僕の前から去っていった そして僕たちはまた新しい未来へと歩き出した

あなたに 素敵な 時間が 訪れます様にsayamanotakuya

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