書籍:超一流の雑談力

今日の紹介は、安田正氏の著書です。

■超一流の雑談力
■安田 正（著）


雑談で大切なのは「何を話すか」ではなく、「相手が気分がよくなるような話の流れ」をつくることだと思います。
そこで、大切になってくるのは、フレーズです。
ちょっとしたひと言が流れを大きく変えてしまいます。
本書では、相手に好印象を与えるフレーズを使ったよい会話の流れのつくり方を、わかりやすく解説されています。
それでは特に参考になった話を紹介していきます。


●人をつかむのは、「雑学」ではなく「使える知識」
おもしろい話に必要なのは笑いだけではありません。
むしろ、ちょっと距離のある人との雑談では、ヘタな笑い話よりも相手が興味のある話をしたほうがよいでしょう。
人の「興味」にはいろいろありますが、最も興味を持ってもらいやすいのは、相手に実益のある話です。
たとえば、雑談の中で相手がゴルフに興味を持った人だとわかったとしましょう。
こういうときには、それに関連する情報を相手にふってみます。
「すでにご存じかもしれませんが、××というスイングの仕方をご存知ですか？先日雑誌で読んだのですが…」
その情報を知らなければ思わず食いついてくるでしょうし、また、相手がすでに知っていたとしても、ひと盛り上がりができるでしょう。
（P64～65引用）
この場合、大切なのは次の2点です。
1．知ったかぶりをしないこと。知ったかぶりをするのは逆効果です。むしろ、相手が何に興味があるか気づいたけど、自分は詳しくないとき、次のように教えを請うのがいいでしょう。
「ゴルフをされるんですね。私もやってみたいと思うのですが、初心者が道具を揃えるのに、お薦めの店ってありますか？」これだと、相手は喜んで教えてくれるでしょう。
2．クッション言葉を使う。クッション言葉を使うと、相手は好感を持ちます。相手が知っている情報でも、「そんなのは知ってるよ」となりません。
逆にクッション言葉がないと、「知らないとでも思ってるのか」と反発を招く可能性があるので、注意が必要ですね。

●雑談の力を伸ばすために、雑談ノートをつけてみましょう。
特に、仕事などで外の人と接する機会を持っている人には、「必須」といってもいいくらい重要なことです。
営業マンであれば、これをやるだけで成績はすぐに上がっていくと思います。
それくらい大切なメソッドなのです。
とはいえ、これもそんなに大したことではありません。
その日に人と会って会話をした直後、何を話したか記録する。
要は、なにを話したのか思えておくためにメモをとりましょう、ということです。
「趣味」「年齢」「出身地」「家族構成」「血液型」……何でも構いません。
次に会ったときのために、記録をしておきます。
(P114～115引用）
2度目にお会いした時、前回にお会いした時の話を持ち出すと、相手にいい印象を与えます。
「あの後、教えていただいたラーメン屋さんに行ってみました。美味しかったです」
「あの後、教えていただいた本を読んでみました。仕事の参考になっています」
地元が金沢の方には、「金沢のご出身ですよね。来月行くことになったのです」
前に話したことを覚えていてくれている相手には、好印象を抱くものです。
ましてや、教えた後に行動してくれると、さらに印象がアップします。

●高価なものでなく、500円の手みやげを年齢や関係性などで大きく異なってくるところはありますが、基本的にまだ会って1～2回くらいの人に対しては高価な贈り物は避けるべきでしょう。
数千円というのはちょっとやりすぎです。
「何で（まだ会ってそんなに経っていないのに）そんなものを？」と相手を戸惑わせたり、警戒させたり、余計な気をつかわせたります。
相手の立場によっては「ワイロ」として取られかねないところもあり、受け取りを拒否されてしまうケースもあるでしょう。
もちろん、プライベートでも同様です。
手みやげは500円くらいのもので十分なのです。

●会話の流れを断ち切らないようにしよう
雑談から本題へ進むための最大のポイントは、それまでの雑談の流れのまま本題に入る、ということです。
雑談でできあがったよい空気、雰囲気を維持したまま本題に移ることが大切になってきます。
たいていの場合、「ところで、本日は……」「それで今日なんだけど……」など、つい本題に入る前に間をつくってしまいがちです。
しかしこれでは、「会話の流れを断ち切る」ことになり、少し不穏な空気が生まれます。
すると、自分も相手の緊張してしまい、話を警戒される可能性が高くなるのです。
大事なのは、あくまでも自然な流れ。
「今の話で思い出したのですが……」
「お話を伺っていて、お力になれると思ったのですが……」
「実は私ども同じことを考えておりまして…」など、自然と本題に入るためのフレーズを身につけていきましょう。