ただの新人じゃありませんから

日(木)7時51分配信
虎総帥、愛のムチ！Ｄ１藤浪は特別扱いせん
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阪神がドラフト１位指名した藤浪。１５日に虎入りが決まる（写真：サンケイスポーツ）

　虎の藤浪、１５日に誕生！　阪神は１５日、ドラフト１位指名した大阪桐蔭高・藤浪晋太郎投手（１８）と契約交渉を行い、仮契約を結ぶことになった。１４日、高知・安芸秋季キャンプを視察した阪神・坂井信也オーナー（６４）＝阪神電鉄会長＝は“特別扱いＮＧ”を現場に要望。金の卵に、「球界を代表するような投手になってほしい」と特大エールを送った。

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　『阪神・藤浪』が１５日の仮契約を経て正式に誕生する。ただ、“虎の顔”だけに収まる素材ではない。大型新人の未来を夢見て、坂井オーナーがこう切り出した。

　「非常に期待できる逸材であることは間違いはない。阪神のエースは当然期待するし、プロ野球界を代表するような投手になるだけのこれまでの実績ですし、それだけ期待している」

　秋季キャンプ視察のため高知入りした総帥。若虎の元気な練習風景を満足げに見守ると、その中に混じって汗を流す背番号『１９』を、はや思い描いたか。

　育成法に関しても、私見を披露した。預かる立場にある中西１軍投手コーチも「特別扱いしてもいいぐらいの選手」と評価している。そんな現場の空気に、『ＮＯ』を突きつけるわけではない。だが、そこはプロの世界でしょ－。そう、坂井オーナーは警鐘を鳴らす。

　「特別扱いするのもあれなんで、実力の世界なんでね。本人の努力なんで、期待はしてますが、特別扱いしないというのは変だが、みんなと競争してやってもらうのは変わりない」

　そんな総帥の声に、遠く離れた鳴尾浜の鬼軍曹が共鳴した。寮生活となる藤浪と接触する機会の多い平田２軍監督だ。

　「（藤浪やドラフト２位の北條が入ってくるが）野球人の前に社会人。（若手は）まだ子供だから、そういうことを知らない。靴をそろえるとか整理整頓をするとかは当たり前のこと。そういう緩みがプレーに出る。口うるさく言っていくよ」

　私生活から正すことで、一流の道が開けることを熱く説いた。入団を前に、ゴングが鳴っているチーム内バトル。「本人もそれを望んでいると思う」と、坂井オーナーは最後に藤浪の心中を思い計った。その先に、日本球界の宝と成長している姿が見える。