- 名前
- 美樹
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 多忙な日々を送ってる会社員です。女性が多い職場なので男性と知り合うきっかけもなかなか...
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酸欠記
2008年12月09日 13:35
何故(なぜ)こんな運命になったか判らぬと、先刻は言ったが、しかし、考えように依(よ)れば、思い当ることが全然ないでもない。人間であった時、私は努めて人との交(まじわり)を避けた。人々は己を倨傲(きょごう)だ、尊大だといった。実は、それが殆(ほとん)ど羞恥心(しゅうちしん)に近いものであることを、人々は知らなかった。勿論(もちろん)、曾ての郷党(きょうとう)の鬼才といわれた自分に、自尊心が無かったとは云(い)わない。しかし、それは臆病(おくびょう)な自尊心とでもいうべきものであった。私は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨(せっさたくま)に努めたりすることをしなかった。かといって、又、私は俗物の間に伍(ご)することも潔(いさぎよ)しとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為(せい)である。己(おのれ)の珠(たま)に非(あら)ざることを惧(おそ)れるが故(ゆえ)に、敢(あえ)て刻苦して磨(みが)こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々(ろくろく)として瓦(かわら)に伍することも出来なかった。私は次第に世と離れ、人と遠ざかり、憤悶(ふんもん)と慙恚(ざんい)とによって益々(ますます)私の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。私の場合、この尊大な羞恥心が駿馬だった。馬だったのだ。これが私を損い、家族を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、私の外形をかくの如く、内心にふさわしいものに変えて了ったのだ。今思えば、全く、私は、私の有(も)っていた僅(わず)かばかりの才能を空費して了った訳だ。人生は何事をも為(な)さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄(ろう)しながら、事実は、才能の不足を暴露(ばくろ)するかも知れないとの卑怯(ひきょう)な危惧(きぐ)と、刻苦を厭(いと)う怠惰とが私の凡(すべ)てだったのだ。私よりも遥かに乏しい才能でありながら、それを専一に磨いたがために、堂々たる詩家となった者が幾らでもいるのだ。馬と成り果てた今、私は漸(ようや)くそれに気が付いた。
・・・と、まあ中島敦風の文章で始まりましたがこの年の瀬に皆さん如何お過ごしでしょうか?
私は過度の残業故に酸欠状態でして(笑)今朝も普段より酸欠状態の埼京線にて出社した為に酸欠が酷くなりました(笑)。
最近じゃ馬になりたいとか真剣に思う今日この頃ですが、昨夜姉馬から電話がありました。妹を一人きりにしておくのが心配なのでしょう、ただでなくても手の掛かる妹ですからね(笑)。
姉馬『美樹!毎日遅いけどちゃんと晩御飯は食べなさいね!お酒なんか飲んで誤魔化しちゃダメよ!」
私『分かってるよ!近所でちゃんと食べてるから心配要らないってば!』
姉馬『私が買っておいた(野菜)ジュースは毎朝飲みなさい!それからパンも多めに買っておいたから朝はちゃんと食べて会社に行きなさいね!」
私「ハーイ!』
姉馬はうるさい時の方が元気なのです。試練を乗り越えて益々最強牝馬に近付いたような気がしますね、姉馬は。
今日は馬の画像です。
このデジログへのコメント
う~ん…埼京線ですね…朝は特に乗りたくないです…私もたまに出張で其方にいくので…気持ちはよく解ります
ますます姉馬似です~…
自分の同居人には食事や栄養バランスを考えつつ、毎食必ず食べさせています!!
> ジェントルさん
埼京線は女性にはお奨め出来ない路線ですね(笑)。痴漢が多い事で有名です。幸いな事に私は遭遇してないですが
> あらたさん
そういう人は大変有り難いのであって私は姉馬がいなくなってからそれを痛切に感じています(笑)。
> アンナさん
アンナちゃんも面倒見の良い方だよね。私の姉馬は姉と言うよりか母馬の小型って感じで(笑)
今の現場に電車で行く時はたま~にですけど埼京線に乗ります。
空いてる時間ですけどね。
ああ、清冽でいいですよね。弓の名人が弓がわからなくなるくだり。好きでした。
> やすさん
羨ましい・・・。朝の混んでる埼京線しか私は知りません(笑)。
> heppokotarojpさん
空気の悪い池袋に長い時間いるからでしょうね(笑)。実家に帰ったらホッとしますもん。
> ひげひげさん
中島敦と梶井基次郎は本当の意味で自分の文体を確立した人達だと思います。二人とも若くして亡くなりましたけどね。
> bananaさん
中島敦に関しては惜しい人物を若くして亡くしたと思いましたね。山月記は特に好きな作品です
中島敦の「山月記」
最も好きな文学作品のうちの1つだわぃ。
何度読んでもいいね。
> タナケンさん
再読に値する文学作品ってそんなに多くないと思いますが山月記はお奨め出来ますね。
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