- 名前
- 美樹
- 性別
- ♀
- 年齢
- 39歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 多忙な日々を送ってる会社員です。女性が多い職場なので男性と知り合うきっかけもなかなか...
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美樹さんの11月のデジログ一覧
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2008年11月30日 08:49
初めの間は私は私の家の飼い主が狂人ではないのかとときどき思った。観察しているとまだ三つにもならない彼女の妹が彼女をいやがるからといって姉をいやがる法があるかといって怒っている。畳の上をよちよち歩... 続きを読む
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2008年11月29日 12:52
私は多くの非難を受けるだろう。だが、私はどうしたらいいんだ? 残業のはじまる数か月前私がニ十二歳だったというのは、それは私のせいなのかしら? いうまでもなく、あの非常時における私の心の動揺は、け... 続きを読む
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2008年11月28日 13:50
「ねえ素敵じゃない? 町中を探して見つけたのよ。あなたの首輪にこの鎖をつけたら、一日に百回でも鈴を鳴らしたくなるわよ。首輪、貸してよ。この鎖をつけたらどんな風になるか見たいの」 美樹のこの言葉に... 続きを読む
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2008年11月27日 13:07
美樹は会社に立ちどまった。一方の足のつまさきで、湿った砂の上に何か描きながら、頭を下に垂れている。が、やがて浅い水の中に入って行った。その一番忙しくない時間でも仕事にドップリ浸かってしまった。浅... 続きを読む
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2008年11月26日 12:55
だが、神よ、魔王の牙(きば)より私を護(まも)りまた救いたまえ! 私の打った音の反響が鎮(しず)まるか鎮まらぬかに、その墓のなかから一つの声が私に答えたのであった! ――初めは、子供の啜(すす)... 続きを読む
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2008年11月25日 13:46
自分が回れ右をしさえすれば、それで事は終わると、と私は考えたが、太陽の光に打ち震えてる部屋が、私のうしろに、せまっていた。泉の方へ五、六歩歩いたが、課長は動かなかった。それでも、まだかなり離れて... 続きを読む
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2008年11月24日 12:41
「あ、そうだそうだ」その時私は袂(たもと)の中の檸檬(れもん)を憶い出した。本の色彩をゴチャゴチャに積みあげて、一度この檸檬で試してみたら。「そうだ」 私にまた先ほどの軽やかな昂奮が帰って来た。... 続きを読む
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2008年11月22日 12:39
会社行きの満員列車の中 私の頭をとりまく世界 すべてが 煙と奇妙な鉄色にかすんだ世界 そして私の心は 過去をさまよい 未来へと錆びついてゆき 太陽が 現世的な そして 原始的な 世界に沈むのを私... 続きを読む
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2008年11月21日 12:13
課長は、「プチット・マドレーヌ」と呼ばれるずんぐりしたお菓子を一つ、持ってこさせた。少したって、陰気に過ごしたその一日と、明日もまた残業がある物悲しい一日であろうという予想とに気を滅入らせながら... 続きを読む
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2008年11月20日 13:02
木の葉が落ちる 落ちる 遠くからのように 大空の遠い園生が枯れたように 木の葉は否定の身ぶりで落ちる そして夜々には 重たい地球が あらゆる星の群から 寂寥のなかへ落ちる われわれはみんな落ちる... 続きを読む
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2008年11月19日 11:19
まもなく、わたしたちは、凍える闇に落ちてゆく、 さようなら、わたしたちの短すぎる夏の活き活きとした光よ 庭の敷石の上に、陰鬱な音を響かせて 焚き木が落ちるのが、すでに聞こえる。 冬がすべて、わた... 続きを読む
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2008年11月18日 13:21
秋のヴィオロンが いつまでも すすりあげてる 身のおきどころのない さびしい私には、 ひしひしこたえるよ。 鐘が鳴っている 息も止まる程はっとして、 顔蒼ざめて、 私は、思い出す 昔の日のこと。... 続きを読む
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2008年11月17日 13:30
わたしには分からない、 こんなに悲しいのがなにを意味するのか;昔からある仕事が、わたしの心から消えない. 風は涼しく日も暮れてゆく、 そして時間は静かに流れている;山のいただきが入り日に赤く映え... 続きを読む
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2008年11月15日 12:07
光る地面に竹が生え、 青竹が生え、 地下には竹の根が生え、 根がしだいにほそらみ、 根の先より繊毛が生え、 かすかにけぶる繊毛が生え、 かすかにふるえ。 かたき地面に会社が建ち 地上にするどく会... 続きを読む
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2008年11月14日 12:11
まつすぐ残業でさみしい わかれきてつくつくぼうし すべつてころんで会社がひつそり それでよろしい落葉を掃く 雨だれの音も年とつた 今日の道の咲いた 雨ふる一人一人ゆく 何とかしたい草の葉のそよげ... 続きを読む
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2008年11月13日 13:44
想像してみて、残業はないって やれば簡単だよ 足元にノルマはなく 週末には休みだけ 想像してみて、みんなが 会社のために生きてるって 想像してみて、残業は存在しないって 難しくないよ そのために... 続きを読む
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2008年11月12日 13:39
私の愛はますます激しく、利己的なものになってゆくのに、あの人のはいよいよ薄れてゆく、だからこそ私達は離れてゆくのだ、と彼女は考え続けた。しかもこれはどうすることもできないのだ。私のすべてはあの人... 続きを読む
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2008年11月11日 13:28
私は歩いた 破れたポケットに両手を突っ込んで 外套もポケットに劣らずおあつらえ向きだった 大空の下を私は歩いた ミューズを道案内にして 何たる休みの日を私は夢見たことか 一張羅のズボンにもでっか... 続きを読む
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2008年11月10日 10:32
たはむれに仕事背負ひて そのあまり重きに泣きて 散歩も出来ず 湘南の小島の磯の白砂に われ憧れて 猫とたはむる かなしきは池袋駅よ 歌ふことなき人人の 声の荒さよ ・・・と石川啄木風の歌で始まり... 続きを読む
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2008年11月08日 12:28
遅れちまった帰宅に 今日も小雨の降りかかる 遅れちまった終電に 今日も風さえ吹きすぎる 遅れちまった悲しみに たとえば狐の皮衣 遅れちまったお仕事は 小雨のかかってちぢこまる 遅れちまった出社は... 続きを読む
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2008年11月07日 11:18
見知らぬ土地の話を聞くのが病的に好きだった。 一時期、十年も昔のことだが、手あたり次第にまわりの人間をつかまえては生まれ故郷や育った土地の話を聞いてまわったことがある。他人の話を進んで聞くという... 続きを読む
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2008年11月06日 11:33
課長はうまい物に掛けると眼がなくて、「うまいもん屋」へしばしば美樹を連れて行った。彼女にいわせると、北にはうまいもんを食わせる店がなく、うまいもんは何といっても南に限るそうで、それも一流の店は駄... 続きを読む
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2008年11月05日 13:32
ほんのちょっぴり本音を吐けば、人のためにもならず、学問の進歩にも役立つわけでもなく、真実をきわめることもなく、記録を作るためのものでもなく、血湧き肉躍る冒険大活劇でもなく、まるで何の意味もなく、... 続きを読む
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2008年11月04日 09:58
美樹は埼玉に海が無いといふ、 ほんとの海が見たいといふ。 私は驚いて海を見る。 烏帽子岩の間に在るのは、 切つても切れない むかしなじみのきれいな海だ。 どんよりけむる水平のぼかしは うすもも色... 続きを読む
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2008年11月03日 11:27
海上にかすかに曙光がきざしはじめる。美樹は他の小舟の影を認めた。それらは水面を這うように低く浮かびながら、なるべく岸べから離れぬようにして、潮流のかなたに散らばっている。太陽は徐々に輝きを増して... 続きを読む
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2008年11月02日 16:58
『こいさん、頼むわ。」 鏡の中で、廊下からうしろへ這入って来たヴィヴィアンを見ると、自分で襟を塗りかけていた刷毛を渡して、其方は見ずに、目の前に映っていた長襦袢姿の、抜き衣文の顔を他人の顔のよう... 続きを読む
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2008年11月01日 10:58
黄昏れ時。部屋のなかは暗い。初夏の風に乗って、《江ノ島》電車が通り過ぎる。角のバーからは地元の人たちの喧噪。猫の鳴き声。 気がつくと、美樹が、リュックを下げて立っている。 まるで川口のアパートか... 続きを読む